依存心からの脱却

本当は攻略サイトを見たくない人へ。ゲームで自己成長するヒント

投稿日:2018-12-14 更新日:

本当は攻略サイトを見たくない人へ。ゲームで自己成長するヒント

攻略サイトを見ながらゲームを進めることにむなしさを感じますか?

すぐに難しい問題から逃げ出して答えを探してしまうのは、考える自力が弱っているかもしれない。

ゲームは120%楽しみたいでしょう。答えを見てはつまらないですよね。

見たくない攻略サイトに頼らず、ゲームを楽しむにはどうしたらよいのでしょうか?

仮想空間の自分に現実逃避してはいけない。

ありのままの今を楽しめば、ゲームは良質な学びにもなります。

ゲームが好きな子どもに不安を持つ保護者の方にも知ってもらいたい内容です。

なぜゲームをするのか

知的好奇心が生まれたから

「世界観が面白そう」

「初めて見るタイプのゲームだな」

とゲームが好きな多くの人は知的好奇心を持ちます。

知的好奇心は健全な欲求です。現実世界でも好奇心を持てば、未知の問題点を発見し社会に貢献できる。

ゲームの中でも「なぜだろう?」と頭をひねれば、自分の思考力も高まりそうですよね。

知的好奇心は自然に発生する気づきにくい感覚ですが、人間にとって大切な感情のひとつと考えます。

コミュニケーションがしたいから

現代のゲームはオンライン対戦や、協力プレイをできる物が多い。

そのためユーザー同士でコミュニケーションを取り合う機会がある。それが心地よくてゲームをしている人は多くいるはずです。

現実のコミュニケーションとは違い、オンラインの付き合いは気軽な一面を持ちます。

付き合いを止めることが簡単にできるからでしょう。嫌われることへの恐れが少なく、気を使わずに発言ができる。

また自分らしさを出せることは良い面と悪い面がありますよね。

  • 良い面リラックスした関係でいられる
  • 悪い面自分を飾って表現してしまう(自己呈示)

自己呈示とは、自分にとって都合の良い自己像を相手に見せることです。

ゲーム社会のコミュニケーションは、お互いの顔が見えない付き合いです。何を言っても現実の自分が脅かされることはない(と思っているだけですが)。

刺激を求めるから

知的好奇心と同様に、ゲームをする人は快感を求めている。これは間違いありません。

では何に快感を求めるのでしょう?

  • 知的好奇心の充足
  • 勝利の高揚感
  • 当たりくじの驚き
  • キャラクターのセクシュアリティ

など、まだたくさんありそうですが、以上が代表的な快感の出どころです。

ゲームをして気持ちがよかった経験を持つと、再び味わいたい記憶として蓄積されます。

新作ゲームの発売や、休みの前日などのタイミングで、その記憶が活性化してよみがえってくる。

それが欲求となり、ゲームをする動機につながります。

仮想的有能感でプライドを保ちたいから

仮想的有能感とはなんでしょうか?

「自信を持てない人がプライドを保つために、他人を見下したり、自分の能力ではないものに依存したりして有能感を感じること」と解釈する。

ゲームの世界では現実では考えられない優秀なキャラクターを扱えます。

加えて競争社会であることが多い。対人戦やポイントランキングなどで順位が決められる。

そんな強い仮想世界のキャラクターを本来の自分像に重ねてしまい、自分が優秀だと錯覚してしまう

本来の自分が強いわけではないので、そこで感じる優秀さは仮想的有能感になる。それでもプライドが充足し快感を得られます。

また一人で楽しむゲームでも、やり込むことで強い自分に成れる。完璧主義も仮想的有能感を支える一つの要因です。

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以上のように、ゲームをする動機はさまざまな欲求により支えられます。

中には不適切な欲求もありますが、基本的に用法・用量を守ればゲームをすることに問題はありません。

しかし攻略サイトに頼るプレイスタイルは、ゲームをする利点のほとんどを台無しにします。

攻略サイトはゲームを手っ取り早く攻略できる情報が詰まっている。つまり「時短」という観点では非常に役に立つ。

しかしそれ以上に見ないほうが良い理由はあるのです。

本当は見たくないはず……攻略サイトの弊害

攻略通りではむなしくなる

攻略サイトには答えが用意されているので、思考力を使わずとも結果を得られます。

結果がわかれば疑問は解消するかもしれません。しかしわからないことは自分の力で解き明かしたほうが気持ち良いですよね。

つまり知的好奇心で得られたはずの快感は、攻略サイトを見ると失われる。

たとえばRPGなら、ソフト制作会社が作ったストーリーを追っているだけなので、映画を見ているようなものです。もちろん映画の豪華さには負けますが。

格闘ゲームで勝ったとしても、自分がすごいわけではなく、作戦がすごいだけです。

答えを拾ってきているだけなので、自分の能力が高いわけではない。だから仮想的有能感に頼って強いゲームキャラに心の救いを求める。

むなしさはいつの日かあふれてしまい「こんなゲームしなきゃよかった」と感じ、自分を「情けない」とさげすんでしまう

お金がかかってしまう

仮想的有能感を求めてゲームをすると、いちばん効率の良い方法を求めて攻略サイトの情報をあさります。

相手に負けることが気に食わないので不利な条件で戦いたくない。つまり最高の状態に自分を近づけようとします。

最高の状態になるには「ゲーム内課金」をたくさんするしかありません。お金をかけないと勝率が下がり、自分の優秀さを証明できなくなります。

攻略サイトにはゲーム内課金で得られるアイテムの情報もたくさん載っているので、ついお金を使ってしまう傾向があります。

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我慢ができなくなる

発想は生み出されるまでがつらい。考えるという行為は苦痛なのです。

答えに頼っていれば、何も考えずにゲームは進みます。困難は攻略サイトを見れば解決しますから。

しかし「困難にあう答えを探す」というルールが自分に根付いてしまうと、考える習慣がなくなります。

日常のできごとはゲームのように答えがあるわけではない。自分なりの最適な行動を決めるために、思考力を駆使しなければなりません。

考える習慣がないと、答えがないケースではいつも同じ選択しかできない。発見の喜びは味わえず、生活に潤いはなくなってしまいます。

思考力は持久力に似ており、経験を積むほど集中できる時間が伸びる。攻略サイトを見ていると、いつまでたっても思考力が高まりません。

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壁を乗り越えられない

攻略サイトの通りにゲームをプレーしていたら、ある程度の高いレベルにはすぐに到達できるでしょう。

それでクリアできるゲームなら良いのですが、他人と戦う対戦ゲームには明確な答えはありません。

自分が勝てるのは、同じレベルの人、または攻略サイトの知識を知らない人に限ります。

本気で試行錯誤している人たちは、攻略サイトの知識を超えた熟練のスキルを身につける。そんな人たちにかなうわけがありません。

(そこまでのレベルまでゲームに取り組む必要性は別にして)勝てない相手に対しては自分のプライドが脅かされる。それを防ぐ必要が出てくる。

上級者との戦闘を避けたり、課金額が多いことをバカにしたり、「上級者はすごすぎる」と別次元の存在として扱ったり……現実的な問題から目を背けます

この心の状態はゲームだけの問題ではなく、現実世界での逃げグセにもつながります。

以上のように、攻略サイトにはデメリットが多い。主に仮想的有能感を高めてしまうという問題です。

考える楽しみや、発見の喜びを味わえない。ゲームにプログラムされた情報を味わうだけでは快感が足りません。

そのため仮想的有能感に気を向けて虚構のプライドを充足させ気持ちよくなろうとする。

攻略サイトには頼ってはいけません。

主体的に生きるために必要な能力を失うことになる。

それでもゲームは続けたい……。

では攻略サイトを見ずにゲームを楽しむにはどうしたらよいのでしょうか?

攻略サイトを見ずに、ゲームを楽しむ心がまえ

考えないゲームは薬物だと思え

薬物には覚せい剤や大麻などの違法薬物から、依存性物質という観点では酒・タバコ・カフェインなどの生活に根ざしたものまであります。

ゲームを薬物というのは少々言い過ぎかもしれませんが、考えないで遊ぶゲームには、薬物同様にメリットよりもデメリットのほうが大きい

メリットは刺激が得られるということだけです。

仮想的有能感や当たりくじで得られる刺激を得るには、渇望の苦しみを感じたり、人をバカにしたりしなければならない。それらは健全な快楽ではない

酒やタバコも時間と健康を引き換えに快楽を得ていますよね。ゲームも同じ様相を持ちます。

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ありのままの自分を楽しむ

ゲームを健全な遊びにする第一条件は、自分を過大評価せず、ありのままの自分を楽しむことです。

オンラインゲームでも自分の遊び方は主体的に決めます。人と比べて妬む気持ちを持つと、他人と自分の差が気になって苦しくなる。

攻略サイトを見ずに遊んだとしても、自分のペースで楽しめる。完璧な装備がなくても、自分が良いと思う装備をすればよい。

自分なりに解析して試行錯誤する。それで良い結果が出せれば、本当の自分を褒められます

もしあなたにゲームへ人生をささげる覚悟があれば、完璧主義を目指しても良いでしょう。

しかしほとんどの人は快楽のために遊んでいます。それだったら健全な楽しみ方をしたほうが、実生活を犠牲にしなくて済む

類推を10倍働かせる

思考は基本的に類推を働かせ、問題解決に向けて仮定を考えます。

類推とは、問題から他の要素への関連性を見いだし、答えもしくは手がかりを推測する思考です。

たとえば隠された重要アイテムを探しているなら、

  • 隠されているなら誰か知っているはず。村人にもれなく聞いてみよう。
  • 隠す場所といえば、隠し扉かもしれない。壁を入念に調べてみよう。
  • 別の重要アイテムはボスが持っていた。未踏のダンジョンに行ってみよう。
  • 冒険はまだ手詰まりではない。他の要件を済ませたら進展するかもしれない。

というように、時間・場所・種類・手段などを深く思い出して、新しい問題の手がかりとする。

もし混乱して考えるのが難しければ、紙などに書き出し、整理しながら進めてみます。

多くのゲームは固定された答えがあるため、攻略サイトを見たくなる。そこを我慢して自分のやり方で解決できれば喜びは倍増します。

攻略サイトを見るプレーヤが20分間で解けた問題だとしても、何も見ずに60分間で解くことに誇りを持つ

考えなければゲームの価値は激減します。10倍考えるつもりで取り組んでみましょう。

五感で味わう

ゲームとは基本的に視覚情報で楽しむものです。

厳密には聴覚(音楽や効果音)触覚(コントローラを持つ手)なども使っていますが。

それでもめくるめく動くゲームの視覚刺激はとても激しいので、ほとんど目で楽しんでいるといえます。

個性にもよりますが、視覚情報というのは論理的な解釈に偏りがちです。ゲームのすべてを楽しむには五感全てを活用したほうがよい。

視覚・聴覚・触覚はもちろん、関係のない嗅覚や味覚もフル回転させてひとつの場面を味わい尽くす。

たとえば戦場にいるようなゲームなら

  • 視覚画面に見える風景、丘の向こう側にいる相手のイメージ
  • 聴覚音楽や効果音、聞こえないはずの仲間の声(空想の会話)
  • 嗅覚火薬の匂い・土が削れた匂い
  • 味覚血の味・汗の味・寝そべったときの草の味
  • 触覚銃を持つ感覚・風・オイルのベタつき

これらのことを想像できれば、メーカーが作った世界観が十二分に伝わってきます。

勝ちや成果では味わえない、仮想空間の妙味を感じられれば、楽しさは倍増するでしょう。

臨場感を想像することで、道徳的な問題も考えさせられるかもしれませんね。

アウトプットする

攻略サイトも、作る側ならメリットがある。自分の蓄積したデータを分析して掲載すれば、情報をまとめる力や掘り下げて考える力が付きます。

しかし相当やりこまないと新しいデータは取得できないので、時間を投資する必要性をよく考えなければならない。

では気軽にできるアウトプットはなにか。

  • ブログやSNS
  • 個人的な日記

というあたりでしょうか。無理して人に見せる必要はありませんが、せっかくの情報なので公開したら誰かの役に立つかもしれない。

蓄積された知識は実践で生かすだけではなく、目に見える形で言語化すると思考力向上に役立てられます。

ゲームをして感じた気持ちを言語化すると、自分だけのストーリーが読者に伝わり、作品に興味を持つ人が増えるかもしれない。

技術的なことよりも、ゲームの経験で気づいた実生活でも役に立つ考え方などを紹介すれば、多くの人に役立つはずです。

ゲーム以外の楽しみを見つける

創作者が豊かな心を育む意図を持っていると、ゲームや漫画などの娯楽コンテンツも良い勉強になります。

だからゲームを趣味として楽しむのは決して悪いことではありません。自分の心が育ってくると、少々危険な思想のゲームでも影響されずに遊べます。

しかし残念なことにゲームは自己成長のツールとしてみると、あまり効率は良くない。あくまで娯楽であり、掛ける時間は少ないほうがよいでしょう。

もしゲームに依存して膨大な時間を費やしているようなら、思い切って別の趣味を見つけたいところです。

自分を育ててくれる趣味を探し、架空の自分ではなく現実の自分を育てる

絵や音楽……仕事に関する勉強、キャリアアップの資格など何でもよい。

もし何も思いつかなかったら心理学を勉強してください。

心理学を知れば自分と他人の心に興味が持てる。豊かな人間関係に関心を向けられます。心に向き合う習慣は一生の宝になりますよ。

心理学検定とは?履歴書に書ける心理学専門家の称号を得よう
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勉強・経済・営業・マーケティング・コーチング・意志力・対人関係改善・・・きりがないほどの分野に関わる心理学。 心理学を知れば、人が関わる分野の情報吸収能力が格段に向上します。 成長する上での基礎となる ...

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おさらい

実は著者もゲームにハマった経験があります。

始めは時短のために攻略サイトを見ていましたが、同じことの繰り返しで何も考えていないことに気づく。

これじゃいかんと思い、なるべく攻略サイトを見ないように方針を変える。ゲームの課題設定には面白いものもあり、解けたときには喜びました。

その後あまりゲームをしなくなりましたが、当時の経験は今の考え方にも生きていると思います。

ゲームは偽りの自分に現実逃避する場所ではありません。

うまく遊べば自分を高めてくれるツールにもなりえます。

ゲームだけではなく全ての娯楽に言えることですが、楽しむことに主体性を持てば、多くの発見があるのです。

最後に、ゲームは週に○時間と決めましょう!最大でも10時間かな〜。

ゲーム好きはこの本を読みたい

梅原大吾さんというプロ格闘ゲーマーの自伝です。

試行錯誤の連続でなし得た技術力で世界一にたどり着きました。どんな分野の挑戦者でも、自己成長を学べる一冊です。

  • この記事を書いた人

やくしじ

産業カウンセラー。個人向けの心理カウンセリングと、少年院のキャリアカウンセリングをしています。すべての行動には目的がある。熱意・不安・焦り・イライラなどの制御できない溢れ出す思いを全人的に受容し、自己理解を支援する。単発的な傾聴のニーズや、継続カウンセリングを通しての自己変容や目標達成を支援します。ご依頼はお問い合わせへご連絡ください。詳しいプロフィールはこちら

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