閑散期……商売をしているとお客さんが少ない時期があります。しかし社員の人数は変わらないから暇ができる。
特に任されている仕事が少ないと、暇な時間にどうしたらいいのかわからないですよね。
できることがあったらがんばりたい。それが誰かのためになることはよく分かります。
暇な時間を活用するには、主体性を持たなければなりません。受け身で仕事をしていてはダメなんです。
では主体性を持ったとして……暇な時間にできることは一体何でしょう?
暇な時間は、革新に取り組む絶好のタイミングです。
あなたが主体性を持って革新に取り組めるようなアイデアをご紹介します。
目次
仕事の暇な時間を生かせない3タイプ
1.空き時間にストレスを感じる
空き時間ができやすい仕事だと、環境によっては監視の目が厳しくなりストレスを感じます。
また「サボっている人は仕事ができない」という偏った信念を持つと、仕事がなくなることが怖くなる。
つまり周りの目におびえてしまうと、暇な時間というのは非常につらいものです。
監視されている状態で高まる意欲は、自分から湧き上がっているとはいえない。
自分から湧き上がる意欲がないと仕事がどんどんつまらなくなり、やりがいを持てない。
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2.嫌われることを恐れる
一方で暇な時間を生かして、しなくても良い仕事をしたいと思っても、2つの理由で行動に移せません。
- やる気のない同僚に煙たがられるのを恐れる
- 失敗するリスクを恐れる
やる気のない同僚に煙たがられるのを恐れる
一生懸命せずにサボることが正しいと思っている人はいます(真面目にする勇気がないだけですが)。
暇な時間に一人だけ一生懸命に活動しようとすると煙たがられる。
そんな人から陰口を叩かれるのを恐れて、行動に歯止めがかかってしまいます。
失敗するリスクを恐れる
空き時間にする仕事は、やったほうが良いが先延ばしにしている案件がほとんどです。
掃除や片づけなどは簡単にできる。しかし発展的な仕事は失敗するかもしれない。
失敗に寛容な職場なら良いですが、陰口がはびこっているような場所だと何を言われるか怖い。そのせいでチャレンジができなくなる。
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3.仕事は指示されるものだと思っている
指示命令を出されないと、自発的に仕事をしてよいのかわからない。そう考えると空き時間を持て余します。
確かに会社のお金を使った行動は、上司の了解を得ないとできないかもしれません。
しかし職場によってはどこまで自由にできるのかわかりにくく、何をするにも了解がいると感じてしまう。
以上の3タイプのような人は、主体性が不足しています。主体的に仕事ができていないと、暇な時間を効果的に生かせません。
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新人時代なら良いですが、職位が上がっていくにつれ、自らが仕事を生み出す責任が生まれます。
職位が上がったら自動的に新しい能力が身につくわけではない。新人のうちから主体的に行動するすべを身に着けたほうがよい。
そのための良い機会となるのが暇な時間を活用することです。
他力本願な考え方を止めて、暇な時間を生産的にするにはどうしたらよいでしょうか?
それはさらに暇な時間を作る努力をすることで実現する。
暇な時間を有効活用すると、さらに暇な時間ができる……あまり意味がないように思えますがこの考えが肝なんです。
暇な時間を自分のために役立てるには、
作業を革新することが重要となる。
仕事が暇なときすることは革新!その効果とは
革新の意味
旧来の制度・組織・方法・習慣などを改めて新しくすること。
革新を個人的な仕事レベルで捉えると、成果を高めるために既存の方法を止めて、新しい方法を見いだすことになる。
成果を高めるというのは
- 時間あたりの作業効率を高める
というふうに考えます。
革新に似た概念で「改善」があります。改善と革新の具体的な違いは以下です。
- 改善→行動の基礎はそのままに、手順を最適化する
- 革新→行動の基礎を抜本的に変える
つまり革新というのは一人の能力を高めることに留まらず、組織全体に明確な変化を起こします。または業界全体が変化をする方法になるかもしれない。
「そんな大それたことはできない」と思うかもしれません。しかし誰でも考えるであろう改善に一つだけ視点を加えるだけで革新は生まれます。
その視点とは作業をなくすこと。今していることを止めるにはどうしたらいいのか考える。
もし革新ができると、どんな良い結果につながるのでしょうか?
信頼が得られる
革新がもたらす効果は明確な成果の向上にあります。それは組織に対する貢献としては非常に大きい。
職位が高くなるほど業績への責任が重くなる。それを軽くしてくれるスタッフの存在は重宝されます。
上司を助けられる存在になれば、職場での存在感が増し出世が早くなるでしょう。
それに加え仕事に対して真面目に取り組む姿は誠実に見える。誠実な人には頼み事をしたくなるものです。信頼がある人は、他人に頼られる人でもあります。
仲の良さそうな間柄でも、仕事をサボるような人は信頼されません。頼み事へ真剣になってくれそうに思えませんよね。
また仕事を真面目にするだけでも信頼は得られない。周りの人が感じるメリットが薄いからです。
メリットを高めるためには革新を生み出す必要があります。
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貢献心を得る
自分の活動で周りの人に良い影響を与えると、認められた気がしてうれしくなる。
そして革新を目指し、主体的に仕事へ取り組むと、試行錯誤が楽しくなる。
仕事自体が楽しいのに、おまけに認められる喜びを得られる。そのことが社会へ対する貢献の喜びを育てていきます。
成果が出れば人は喜びます。しかし出なければなんとも思ってくれません。
ここで一つ心に留めておきたいのですが、貢献とは
- 価値を与える
- 価値を生み出す態度
の2つによって成り立ちます。つまり仕事に対して主体的に取り組まないと貢献は続きません。
一度や二度の失敗で腐るようでは貢献心が根付かない。自分が成長し続けてこそ人に対して安定した価値を提供できます。
つまり成長への喜びを感じることが、貢献をする喜びの第一歩です。
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自分が成長できる
革新というのは与えられた仕事をただこなすだけでは絶対になりえません。
作業の一つ一つに疑問を持ち、さらには「作業そのものが必要か」「別の方法を用いられないか」と試行錯誤を続ける必要がある。
試行錯誤は人を成長させます。最適な考え方を探すプログラムが自分の性格に根付き、思考力そのものが成長する。
社会に役立つ頭の良さとは、
より良くするという革新の精神がその一つです。
また少しの失敗でめげないほど、努力のコントロールができるようになったら、少々の困難を克服することは日常茶飯事になる。
周りの人には難しいけれど自分は簡単にできる物事が、どんどん増えていきます。
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周りの成長を助ける
自分の仕事のやり方を周りにアピールしても、ほとんどの人は共感を示さない。
人を動かすには、相手がその行動に価値を感じている事が前提となる。相手が自発的にマネしたいと思える必要があります。
そのために一番手っ取り早いのは、観察学習をさせることでしょう。
観察学習とは、自分自身が実際に経験していないが、ほかの誰かを観察して得られる学びです。
自分の仕事をあけっぴろげにしておき、誰かが質問をしてきたら丁寧に答える。
楽しそうに仕事をして成果を出していたら、素直な人はマネをしようと試みます。
同じように主体的に仕事へ取り組む人が増えると、組織の雰囲気は良くなる。スタッフ同士の建設的な対話が増え、やり方は口コミで広がっていく。
こうした繰り返しが周りの人たちの成長を助け、首謀者である自分を中心に健全なコミュニティが形成されていきます。
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その道のプロに成れる
ほかの社員の考え方が腐りきっていて、いくら革新を達成しても煙たがられるだけで周りは変化しない……。残念ですが、そんな組織もあると思います。
その場合、一つの手段として転職を考えることになるでしょう。しかし今までしてきたことは無駄にならず、むしろ転職の大きな武器になる。
革新は「従来〇〇だったものを、△△に改め、結果として□□を達成した」とストーリのある実績として表現できます。
採用担当者は経歴や結果だけの実績だけを見ても、その人が優秀かどうかは判断できない。
しかしストーリーのある実績はその人の行動に信頼性をもたせ、実力を想像しやすくなる。
また革新で得たノウハウは同業他社にとって魅力のある情報です。
ノウハウを体系的にまとめられるなら、セミナーやコンサルティングの事業を起こせる。
たとえ自分が下層の職位だったとしても、スタッフ向けの講習会を開ける。体系的なトレーニングプランは、マネジャー層でも欲しがります。
革新を目指して仕事に向き合うことは絶対にムダにはならない。
暇な時間を使って革新に取り組む具体的な方法はなんでしょうか?
仕事の暇な時間にやることの具体例
革新の検討
仕事の成果を上げるのは、作業あたりの効率を最大化する必要があります。
効率の最大化は2つの方向で考えられる。
- 同じ時間で得られる効果を高める
- 作業を止めても効果だけ残す
同じ時間で得られる効果を高める
作業の手順を一つ一つ検討し、最適化させていく考え方です。改善をすると言い換えてもよい。
たとえば家電の接客販売業務では、プレゼンテーションが効果的だと成約につながりますよね。
カタログで機能を紹介して見込み客の納得感が薄いのなら、機能を視覚的に見せる工夫をするなどの改善案を考えます。
これで成約率が上がり、所要時間が変わらないのなら改善策は成功と言えます。これをどんどん繰り返して洗練させていく。
しないで済むことを作る
しないで済むことを作るのが革新ですよね。先程の接客販売業務で考えてみましょう。
改善もそうですが、特に革新には
- 仮説を立てる
- 実行する
- 検証する
- 仮説を検討する
という試行錯誤のサイクルが必要です。
たとえば「冷蔵庫を買いたい」という見込み客の設定で、仮説を検討すると以下のようになる。
- 欲しい気持ちが高まっている見込み客は、セールストークがなくても買ってくれる。
- しかし踏ん切りがつかない人は多い。
- それは投資をした見返りが得られるか心配だからだ。
- その原因は何を検証したら不安が消えるかわからないからである。
- しかしセールストークをすると購入意欲がなくなる人が多い。
- だから提案をせずに顧客が主体的に検討する仕組みを作りたい。
- そのためには……「冷蔵庫を買う前に確かめたい、5つのチェックポイント」をプリントしてお客さんに渡せば、主体的に検討するのではないだろうか。
という感じです。実現すれば接客を大幅に減らしても、成約率を下げないでいられるかもしれません。
これが革新である理由は「セールストークを止める」という主眼があるからです。
つまり成果はそのままで所要時間を0にすることが革新の一番のポイントになる。
もちろんプリントを作る・配布するなどの作業は新たに発生しますが、時間投資効率は格段に向上するでしょう
これらは暇な時間に計画を立て準備をします。
一回の挑戦では成功しないことが多いでしょう。それなら、
- プリントをボールペン付きのバインダーで挟んで配布したらどうだろう?
- プリントにせず冷蔵庫コーナーに拡大掲示したらどうだろう?
- わからないところはスタッフにお尋ねくださいと記述したらどうだろう?
などやり方を変えながら効果を検証していく。
その試行錯誤が「セールストークをなくす」という革新的変化につながります。
新しいことを創造する
既存の枠組みを使って革新的な行動を続けていれば、十分に組織への貢献が高まり、自分自身も成長していくでしょう。
もしそれでも自分自身に余裕ができるのならば、さらに一歩すすんだ「価値の創造」というところを目指して暇な時間を活用していきます。
たとえば冷蔵庫を求める顧客に対して接客をする機会が多いのなら
- 冷蔵庫を買ってくれた人に満足してもらいたい。
- 冷蔵庫内が整っている人は、生活全体が整っていると聞いたことがある。
- それでは「冷蔵庫から始める、整った生活を生み出すマル秘テクニック」という無料セミナーを開けば、顧客満足度が高まるのではないか?
というふうに検討をします。もちろん会社のニーズに合ったプランしか採用されないでしょうが、こういうアイデアをいくつも持てるのは武器になる。
これが創造的な発想である理由は「既存の枠組みにない考えを生み出す」という主眼があることです。
商品企画は頭を悩ませます。現場の意見があればリサーチしたいのが開発担当者の本音だと思います。
新しい発想をいくつも持っている現場スタッフは、職位が高い人を相手にしても対等な話し合いができる。
ダメ元でいいので、気づいたことを発展させていく習慣を持ちたいですよね。
また(前述のケースでいえば)メーカー勤めではないですが、新しい冷蔵庫の機能を考えるのも面白い。
どこにチャンスが転がっているのかはわかりません。大切なのは業界関係者をうならせる発想ができる思考力を付けることです。
知識を習熟していく
革新のアイデアが浮かばない場合は、頭の中から絞り出すことだけではなく外部から情報を仕入れることも大切ですよね。
会社で暇な時間に情報誌などを見ているとサボっていると思われそうです。
しかし「〇〇について改善案を考えている」と理由があれば、情報収集を正当化できます。
情報誌や書籍を見るだけでなく、同僚などの他のメンバーに相談してもよい。
ほとんどの人は意欲が低くても仕事の話には関心があります。情報が得られるだけでなく、相手の意欲を高めることにもつながる。
得た知識はノウハウとして整理しておくと良いでしょう。自分に対して好意的な状況が作れているのなら、社内で情報発信をしても効果的です。
おさらい
業態によっては繁閑の差がとても激しいですよね。僕も暇が多い業態で働いたことがあるのでよく分かります。
忙しいときは勝手に仕事が降ってきます。しかし暇を活用するには、主体性を持たなければいけない。
暇な時間に一生懸命考えることで、忙しい時の作業を楽にすることが大事です。
作業を楽にしても成果が落ちては意味がない。革新的な発想力はそのために生かされます。
また職位レベルで革新の捉え方は違います。
残念ながら社長にとっては現場スタッフの革新は、単なる1工程の改善に過ぎません。しかし心に持つ革新マインドは感じ取ってくれるはずです。
革新だけに留まらず、新しい価値を想像できるようになれば、多くの価値を組織にもたらす。それが社会への貢献になる。
暇な時間にこそ金のなる木はあるのです(ゲスな表現ですみません)。
自分を成長させるつもりで、革新に取り組みましょう!