自己成長の目標設定と言われても、例がないとよくわからない。仕事以外に努力していることなんてないし……。
たまに自己啓発書を読んだりしているが、そんなことじゃない気がする。
個人目標のこと?仕事以外の努力のこと?そもそも自己成長ってなんなんだ〜!目標設定のコツが知りたい。
人によって細かい定義の違いはあるでしょうが、自己成長は「自分の資質を努力して高めていくこと」と言えます。
自己成長の定義を詳しく説明しています。
資質とは知性・技術・精神力などさまざまあると思いますが、なにをすれば鍛えられるのかいまいちピンときません。
自己成長の目標設定を明確にするためにはどうしたらよいのでしょうか?
社会貢献・明確な自己像・短期目標の3つを定めれば、どこに出しても恥ずかしくない目標設定ができます。
目次
自己成長の目標設定とは?社会貢献の人生を目指すこと
理想の自分は幸せに直結しない
具体的な目標がなければ、自己成長のやり方はわかりません。しかし少なからず願望はあるはず。
- 年収1000万円になりたい
- SNSでインフルエンサーになりたい
- 子供を有名大学に入れたい
実のところ願望に向かって努力するのは、自己成長の形として間違っていない。
ずいぶん俗っぽいと感じましたか?
自らを成長させていけば、社会的な立場は比例して高まります(お寺にこもって精神修行をするわけではないんですから)。
私たちの生きる場所は社会の中ですよね。地位や名誉を手に入れられるようにがんばるのは自然なことなのです。
ただし願望を抱くだけじゃ、目標はかなわない。単に願ったって何も起こりませんから、必ず行動をしなければならないんです。
しかし例えば年収が1000万円になったところで、それは幸せなことなんでしょうか?
その答えを知るために、私たちは何のために自己成長をするのかよく考える必要があります。
「年収1千万になりたい」などの願望は、目標を表す具体的な形です。
しかし願望がかなったからといって、必ず幸せになれるわけではありません。
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社会貢献のために自己成長を志す
ではなにをすれば自己成長は報われるのでしょうか?
周りの人へ自分の影響が伝われば、心が幸せを感じられる。
しかし良い影響と悪い影響があるんです。
- 人と比較して自分が偉くなった気になる
- 社会に貢献し、人の役に立つ
人と比較して自分が偉くなった気になる
- お金持ちになった
- 偉くなった
このように周りの人と比較すれば自分の価値が高まった気がする。一時的にはうれしいかもしれません。
しかし周りの人は自慢された気がして嫌になり、愛情を与えるどころか相手を憎むかもしれない。
結果としてお互いがさみしい気持ちになってくる。
つまり人と比較して満足しようとしても、結局はつらい思いをしてしまいます。
自己成長の目標として、こんなむなしいゴールは設定してはいけません。
社会に貢献し、人の役に立つ
自己成長で目指す場所は、社会貢献です。
誰かの役に立てたなら、相手はうれしくなる。
感謝をされるかは相手次第ですが、憎まれることはないでしょう。
うれしい気持ちを伝えたい人から喜びの声を聞かせてくれるかもしれません。
それ以上にもっと高い視座で社会貢献を考えれば、自分が求める結果を得るだけで人の役に立っていると確信できる。
役に立っているという信念があれば、自分自身を褒められるので、幸せな気持ちでいられます。
つまり
願望をかなえると同時に社会貢献ができるような目標設定が求められます。
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社会貢献の目標を見つけ、自己成長のやりがいにする
社会貢献は将来の夢でも意識できる
私はみんなが健康になって幸せでいられるような社会づくりをがんばる
もし子供のときに、こんな目標を持てるのならすばらしいですよね。しかしほとんどの人は、
- 医者になりたい
- 野球選手になりたい
- ビッグな社長になりたい
と具体的な職業が将来の夢だったのではないでしょうか。
ほとんどの人は社会貢献をイメージする前に、職業や地位・または収入などの形がある目標を目指してしまうんです。
これらは「具体的な自己像」とここでは定義します。
しかし具体的な自己像をかなえるだけではなく、社会貢献を感じられないと本当の幸せをつかめませんよね。
そのために社会に何を貢献したいのかをはっきり表す必要があります。
これを「社会貢献の目標」と定義します。
例えば先ほどの医者になりたいという例で考えてみましょう。
自己像の目標:医者になりたい
社会貢献の目標:みんなが健康になって幸せでいられるような社会づくり
というような関係性が見えてくる。自己像の目標はずばり「医者」。それ以外は選択されていません。
一方で社会貢献の目標をよく考えてみると、医者でなくてもこの目標に近づくことは可能であると思いつきます。
- みんなが健康になって幸せでいられるような社会づくりができる自己像の目標
- 政治家(健康を重視した社会制度を推し進められる)
- 管理栄養士(食から健康を提案する)
- 臨床心理士(心の健康を支える)
- 教師(教育で健康を伝える)
というように社会貢献の目標から逆算して考えると、たくさんの可能性がわかる。
つまり具体的な職業になる道が途絶えたとしても、よく考えれば別の道は見つかります。
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自己像の目標から社会貢献の目標を導き出す
では子供の夢ではなく、大人の目標で考えてみます。
既に職業についている大人が持つ願望は、子供の夢とは違いもっと現実的で俗っぽいですよね。冒頭で出した例を再掲しましょう。
- 年収1000万円になりたい
このような願望の場合でも社会貢献の目標を導き出せます。まずはなぜ〇〇したいかという問いを立て、いろいろ書き出してみましょう。
- なぜ年収1000万円になりたいのか?
- 家族に豊かな暮らしをさせたい
- 毎年海外旅行に行きたい
- いい車に乗りたい
と理由がでてきました。これだけではまだ「なぜ?」が続けられそうですね。これらを自分が納得行くまで掘り下げていきます。
ポイントは
- 社会が良くなるために、自分なら何ができるのか
を考えることです。
- なぜ家族に豊かな暮らしをさせたいのか?
- 苦しい思いをせず、安心して暮らしてほしいから
- 安心して幸せを感じてほしいから
- 家族を幸せにしたいから
- なぜ毎年、海外旅行に行きたいのか?
- 旅先で新しい価値観を得たいから
- 発想力や思考力を高めたいから
- 自分の考えを表現して多くの人に伝えたいから
- 偏見や差別のない社会を作りたいから
- なぜいい車がほしいのか?
- いい車は誇らしい気持ちになれるから
- 自信を持って仕事に取り組めるから
- その方が多くの人を助けられるから
このように分析することで、多くのことがわかりました。以下にまとめてみます。
- 家族を幸せにする
- 偏見や差別のない社会を作る
- 多くの人を助ける
と当初感じていた年収1000万円の願望は、社会貢献の目標に変わりました。
最後の車の例は少し無理やりなので、違和感を感じるようなら目標から除外してもいいでしょう。
続いて社会貢献性の高い目標をかなえるために、具体的な自己像の目標を逆算して考えます。
まずは当初思いついていた1000万円の年収を目指して作戦を立てれば良いでしょう。
しかし年収1000万円が現実的に難しいと感じるようなら、別の方法を考える。
- 一緒にいる時間を増やせば、家族は幸せを感じる→一緒にいるためには?
- 旅行に行かなくても勉強はできる。国内の人と積極的に交流しよう→交流するためには?
- 多くの人に声を届けるのなら、行動すべきだ。車は二の次でいい。→車にはこだわらないようにしよう
自己成長をしたいと思っても、ムリな目標を立てるとあきらめるしかない。
願望が生み出した具体的な目標にとらわれず、自分が成長するために社会貢献の目標を大事にしましょう。
自己像の目標を調べ、短期目標を見つける
社会貢献の目標が見つかったら、具体的な自己像の目標について検討を深めていきます。
まずは願望が生み出した当初の目標で良かったんでしたね。もう一度年収1000万円という目標で検討してみましょう。
どうしたら年収1000万円は達成できるのでしょうか?
思いつくことを書き出して、どんどん掘り下げていきます。
- 今の会社では役員クラスにならないと、年収1000万円はムリだろう。
- 現状を見ていると役員になれたとしても50代後半くらい……先は長そうだ。そして現状の信頼度ならたぶん選ばれない。
- 今できることは、副業だ。幸い副業を推進する社風に変わってきている。
- 現在の収入が年収600万円、10年後は見込みで700万円だ。ということは10年で毎年300万円の利益を出せる副業を考えれば成功と思えるな。
- 自分にできる副業はなんだろう?
- 私は毎週末にオリジナルの料理を考えるのがライフワークだ。
- ユニークなアレンジをした得意料理のメニューがクックパッドで人気ナンバー1になったこともあるしな。
- 料理を副業にする方法を考えてみよう。
- 料理教室っていう手もあるけれど……それだけじゃ難しそうだな。
- インターネット上で報酬が得られるサービスを合わせて検討したほうがいい。
- まずはSNSでやブログを活用して、自分を知ってもらえるような基盤づくりを始めたほうがいいな。
このように掘り下げることで、具体的な短期目標が決まってきます。この例でいうと、
- 自己像の目標:料理の副業で年収300万円(年収1000万を具体化)
- 短期目標:SNSやブログを始めてプロモーションの基盤づくりをする
自己像の目標がさらに具体的になりましたね。
そしてすぐに行動に移せそうな「短期目標」まで明確になりました。
具体的な行動目標ができたので、目標に向かって動き出せそうです。
しかし正しい行動だとしても、自分の実力が伴わずに思うような成果が出せないかもしれません。
一度の検討だけではなく、具体的な自己像の目標を何度も掘り下げて、短期目標を検討していきましょう。
短期目標を掘り下げる
短期目標は行動の繰り返しで達成できる
おおかた将来像が想像できるようになると、今すぐにできる短期目標が見えてきます。そうしたらもちろん、行動あるのみですよね。
行動と言っても周りに影響を与えそうなアクションをするばかりではありません。
- 読書から学ぶ
- 人に習う
- 市場を調査する
など準備や学びと考えられることも行動の1つです。
つまり
- 外側(周り)に向けたアクション
- 内側(自分)に向けた準備や学び
をバランスよくこなしていきます。
では実際に前述の「料理関係の副業で年収300万円」という例で考えてみましょう。
短期目標は「SNSやブログを始めてプロモーションの基盤づくりをする」でした。ここでは一つに絞ってブログで考えます。
このように一つの区切りになる目標は「短期目標」と定義します。
短期目標はさまざまな要素によって推し進められるのですが、その要素は具体的な「行動」が組み合わさっているのです。
SWOT分析を用いた行動プランの策定
それでは行動の決め方を以下の例で見てみます。
できるだけ具体的な行動を起こせるようにしなければならないので、まずは短期目標における現在の状況を分析しましょう。
今回はSWOT分析をしてみます。
SWOT分析とは目標における、
- 自分の強み(Strength)
- 自分の弱み(Weakness)
- 外部環境にある機会(Opportunity)
- 外部環境にある脅威(Threat)
の4項目を書き出して、それらを行動プランの検討に用いるマーケティング手法です。
SWOT分析:料理ブログを作る
- | 内部環境(自分) | 外部環境(自分で変えられないこと) |
---|---|---|
良い面 |
|
|
悪い面 |
|
|
SWOT分析で出てきた項目を検討すると、今すぐ取りかかれる行動がわかる。
- すぐにレンタルサーバーを借りて、ブログをセッティングしよう(強みを生かす)
- 料理の専門書を読んで、知識の習得に取り組もう(弱みの解決)
- クックパッドにもブログ紹介のリンクを貼ろう(機会を生かす)
- 競合が少ない検索キーワードを調査しよう(脅威の対策)
このように分析でわかった要素を、実際の行動プランに結びつければいいんです。
強みや機会を生かすのは簡単に思いつきますが、弱みや脅威は思いつきにくいかもしれません。
基本的には弱点を改善する方針で考えれば良い。しかし中途半端に改善しても平凡な印象になりがちなので、弱みを生かす戦略を考えてもよい。
- 初心者が実証済み!カレが「おいしい」と感動する、誰でも作れる簡単料理レシピ集(弱みの活用)
- 既に活動している料理ブログの人と積極的に絡んで、横のつながりを得る(脅威の活用)
今回の例はブログだったので、SWOT分析だけでは情報が不足しています。
明確なターゲット設定・収益化の検討……などいろいろと検討しなければならない。
ブログだけではなく新しい事業やサービスを始めるのなら、その他のマーケティング手法を用いて戦略を決めながら取り組みましょう。
始めることがビジネスでなくても(例えば英語の学習だったとしても)SWOT分析は役に立ちます。
たとえ単語を学習するだけでも、何のための行動なのか理解できていたほうがよい。
戦略の幅を広げられ、目標達成までの道のりが短くなるので、できることが多い人生をエンジョイできます。
おさらい
したいこと・なりたい姿などの目標は少なからず誰でも持っています。
お金持ちになりたいなどは超・普遍的な願いかもしれません。
しかし多くの人は遠くにぶら下がった願望を眺め「かないっこない」とあきらめる。
ひどい人は成功者をねたみ、足を引っ張ることに躍起になってしまいます。
それでも志高く、自己成長に取り組もうと思えるのなら、社会のために何ができるのかを考えて即時行動する。
簡単なことなら誰でも行動を始められます。
いきなり高い理想を追わず自分ならできることを考えて行動するために、今回の手法を活用してください。