意地悪な性格の改善

人に歩み寄る気持ちが持てる。苦しい仮想的有能感を手放す方法

投稿日:2018-11-21 更新日:

人に歩み寄る気持ちが持てる。苦しい仮想的有能感を手放す方法

「いつも文句ばかり言っているね」と、からかわれるように友だちに言われる。

自分でもそんな悪癖を直したいと思っているが、批判をやめることは不可能だ……。

その場にいない人の話を聞くと、価値観を認められずに否定的な気持ちになる。

悪口を言うときは気持ちいいのに、我に返ってから後悔してしまう。

人を認められないのは自分が傷つくのを恐れているから。それはよくわかっているはず。

そんな自分を変える方法とは?

誰かに貢献できることで自分を変えるパワーが生まれます。

自尊心のない有能感のせいで、他者に歩み寄る気持ちを持てない

人を認めない文化

なんとなくイメージできると思いますが、人を認められないのは自分自信に否定的なこだわりがあります。

他人の優秀さや活動力のある姿を認めると、自分の無力さをかき立てられてしまう。

本当は多種多様な価値観を認めて、エネルギッシュに活動したほうがよいと感じている。

しかし2つの理由が人を認めないことを正当化します。

  • 文化で認められた怒り
  • 求められ続ける嘲笑

文化で認められた怒り

マスメディアの世界は、いつもどこかで怒っています。政治問題から芸能人の不倫まで、視聴者を代弁して怒りを表現する。

怒りがはびこる社会にいると怒ることが当然のような気になります。人は環境に影響されやすい

また一般的に怒れないのは情けないと思われます。

不満があるのに何も言わずに縮こまっている人たちの中で主張をするのは勇気がいる。怒れる人は文脈次第では称賛されるのです。

求められ続ける嘲笑

毒舌で場を沸かせるタレントは人間性をおとしめるような発言をする。もちろん相手を尊重した上で番組を面白くするためにしている言動でしょう。

しかし毒舌は一般人が感じている違和感を見事にキャッチして伝えます。

  • 自信過剰
  • 自己アピール
  • 偽善

などの要素をうまく笑いに変える。

これらは人をバカにする材料として一般に流布しています。

共感が起これば毒舌はジョークになる。

ウソの有能感がもたらす快楽

自尊心が弱い人は劣等感を持ち、うっ屈した気持ちを抱えてしまいます。自尊心とは自分が優れいると思うこと。

周りの人をさげすめば自分が偉い気分になれる。自分の嫌な気持ちに対処するための空虚な方法です。

仮想的有能感という概念があります。自分の能力に目を向けず「他人はバカだ」と思い込むことで有能感を得ようとする性格傾向です。

今までの実績などの結果に対して有能さを感じようとするが、成功した経験が少ないと人が認めてくれない。

抑圧された集団の中で失敗を恐れ有能さをアピールできず自尊心が育たない。

有能感が持てない代わりに、自分を認めてくれない人を愚かだと決めつけ自分自身を守ろうとします。

仮想的有能感を維持するには人の愚かな部分を探さなければいけない。だからバカにできる対象をいつも探している。

有能さを感じると気持ちがいい。

自分に自信がなくいつも不安な人は、人をおとしめることで快感を得ようと反射的に文句を言ってしまいます。

劣等感は拭い去れない

仮想的有能感で自分をごまかし続けると、能力の成長を妨げます

成長しなくても有能感を感じ続けるために、自分の立ち位置は変えず他人を見下し続ける

しかし年を重ねると努力をした人・していない人で社会的な立場の差が付いてしまう。

それでも人をバカにし続けなくてはならないので、ますます聞く耳を持たない性格になる。

人を認められない人は、他人が何かしらの行動をしたタイミングに愚かだとおとしめます。

例えば「転職した」「旅行にいった」「SNSに料理写真をUPした」など何でも突っ込みどころを見つける。

バカにしている一方でその行動を見た自分も傷ついている

  • 劣等感
  • 嫉妬

これらの感情が自分を苦しめるから、対処するために文句を言い続けるしかないのです。

変わるのが怖い

無根拠に人の悪口を言うのは、心のどこかでは自分が認められたいと思っているサインです。

  • 認められるには自分が変わらなければいけない
  • 文句ばかりだった半生を振り返り、自分の過ちを認めなければいけない

そう考えると自分を変えるために最初の一歩を踏み出すのは怖い

変わるって、めちゃくちゃ勇気がいる

しかもほとんどの人は「一気に変わろう」「すごくなろう」と無謀な挑戦をし、結局のところ挫折をしてしまう。

人の悪口を言わず、成長できる自分になるにはどうすればいいのでしょうか?

人に歩み寄る気持ちを育む作戦

自尊心の理解

変れる自分になるためには、まずは自尊心の基礎を作ります。

仮想的有能感を持つ人は「できる」と自分を信じられない。

しかし自分自身には絶望していない。やればできると思っている。

人に認められたと感じたときに自尊心は強固になります。すごさを証明して認められようとしがちですが、驚かれるだけで喜んではくれません。

人は相手の価値を認めます。

家族ならテストでよい点を取るなどで認めるかもしれませんが、社会では自分に利益をもたらす人を認める。

  • 助けてもらえる
  • うれしい気持ちになる

このような利益が人を認める条件です。

自尊心をつけるには

人の役に立つ事が何より重要です。

一日一善作戦

シンプルに一日一善をしていけば心境の変化を手っ取り早く起こせます。

1カ月のあいだ毎日よいことをすれば、月間で30個も社会貢献ができる。

何もせずに過ごすより素敵ですよね。

一日一善には6つルールがあるので確認します。

  • 褒められる必要はない
  • 記録をつける
  • 毎日ちがう善行を
  • 人の仕事を奪わない
  • 仕事上の人助けは含めない
  • 自分の変化でも良い

褒められる必要はない

自尊心のためには褒められたいところですが、むしろ誰にも気づかれないような善行を進んでします。

人の評価を求めていたら認められることを渇望する気持ちが強くなります。その乾きは苦しくなり一日一善がつらくなる

この作戦は30日間を通して善行を継続できることに喜びを見いだします。

自分は社会の役に立っているんだと自分自身で証明するのです。

他人任せの自尊心から自分で築く自尊心へ、少しずつ考え方を移行していく。

記録をつける

はじめから褒められなくてもよいと思っていれば、しばらく耐えられるでしょう。

しかし途中で苦しくなるかもしれないので、カレンダーに記録をつけていきましょう。自分を客観的に振り返り、継続を評価できます。

丸を付けるような方法は完璧にしたいという心理をかき立てます。

こだわりすぎると苦しくなりますが、完璧にしたいというパワーは活用できます。

記録をつければ自分が認められている気になる

毎日ちがう善行を

いつも同じ善行をすると、習慣化してしまいチャレンジ精神を必要としません。

例えば前日に会社のゴミ箱をきれいにしたのなら、次の日はコードのもつれを直すなどの違いを設けます。

月の後半になるとできることが減ってくるので、気づいたときに善行のアイデアを書きためると楽になる。

人の仕事を奪わない

他人を助けるといっても、人の仕事を奪っては当人のためになりません

手伝わないとやむをえないような状況ではじめて善行と呼べます。お互いの関係に甘えがあっては成立しない。

仕事上の人助けは含めない

助けを求められたら応じても良いと思いますが、それが仕事上で当然のことなら善行ではありません。

自分の利益がない人助けが条件になるので、就業後に相談に乗るなど人のために時間を使う場合はOKです。

自分の変化でも良い

自分に変化を起こすことも「やればできる」という気持ちを高められる。

  • 今まで遠慮して話したことがなかった人に声をかけてみる
  • 会議でだれも言えない難しい意見をズバッと言ってみる

などのチャレンジ精神があふれる行動なら、自分に対しての一日一善と呼べます。

以上の6つのルールを守って1カ月のあいだ一日一善をやりきれれば、社会の役に立っていることが自分自身で証明できるはず。

文句垂れから評論家に

今まで人の文句を言っていたのに、いきなり言わなくなれるのでしょうか?

なかなか難しいと思います。

脳は気持ちよくなりたいから悪口を言わせようとする。

悪口を言わない対処方法として「評論家になろう」作戦を使います。

人のことを評価ばかりする人……ウザいですよね(笑)しかし評論は良いところ・悪いところを混ぜて語れます。

文句ばかり言われると聞いている側へ嫌な気持ちが伝染します。良いところも言ってくれるなら気分的には悪くない。

いずれは他人をとやかく言わない性格になりたい。そのために段階を踏んでまずは評論家を目指します。

ルールは簡単です。

  • まずは悪いことを言っても良い
  • 必ず良い面を考えて伝える
  • できればその人の行動が良い影響を生むか考察する

例えばインスタグラムに自撮りの写真をアップしている友達の話題で

自分がかわいいって言ってもらいたくて仕方がないんだろうね(悪口・皮肉)

でも写真のとり方が上手だな〜……ほらこの表情はアイドルの〇〇みたい(良い面)

友達とのコミュニケーションが楽しいのかな?自分でアップすれば別の人も乗せやすくなるし。こういう遊びも大切なことの1つだね(考察)

ここまで言ってくれると周りの人も嫌な気持ちにはならない。

ポイントは最後に良い印象で終わらせること。

悪口ばかり言うより思考の幅が広くなるので、会話がうまくなるトレーニングにもなります。

おさらい

冷静に考えれば人の悪口なんて言う必要などありません。

しかしつい悪口を言ってしまうのは

  • 他人に嫉妬し劣等感が刺激されるから、自分を正当化するためにおとしめる
  • 自尊心のなさから自分を認められないので、他人をおとしめて有能感を得ようとする

などの理由が考えられます。

自尊心を高めれば悪口を言わないですむ。

自分自身で自尊心を高められる基礎を作ることが対策になります。

  • 一日一善で社会貢献を感じる
  • 評論家作戦で衝動をコントロールする

実は筆者もしばしば悪口を言ってしまいます。

そこで踏ん張って相手の良いところを探して認める。すると多様な価値に気づけて楽しいですよ。

筆者は一日三善に挑戦したことがありますが、月末はなかなか大変でした(笑)余裕があったらやってみてくださいね。

  • この記事を書いた人

やくしじ

産業カウンセラー。個人向けの心理カウンセリングと、少年院のキャリアカウンセリングをしています。すべての行動には目的がある。熱意・不安・焦り・イライラなどの制御できない溢れ出す思いを全人的に受容し、自己理解を支援する。単発的な傾聴のニーズや、継続カウンセリングを通しての自己変容や目標達成を支援します。ご依頼はお問い合わせへご連絡ください。詳しいプロフィールはこちら

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