「やります!」と勢いで仕事を承諾してしまった。
向上心がある自分は好きだが、どうしても焦ってしまう。そしてミスをして、残念がられるのだ。
焦ったら負けと先輩に言われた。つまりいつも負けてばかりということ。
せっかちなのが短所だとは分かっている。焦りたくない……そう思って今夜も泣くのだ。
バタバタと落ち着かない人は、気持ちだけが空回りするから、仕事のミスが増えてしまいます。
焦りやすい性格は改善できるのでしょうか?
前もって対策を決めておけばいい。
焦りにくくする方法と、焦ったときの対処方法を4つまとめましたので紹介します。
心がまえで焦りやすい性格を改善する
1.誠実であれば焦らない
自信がない人って焦りがちですよね。
仕事を依頼されたら必要以上に早く動こうとして、結局ミスが起きやすくなる。
なぜ早く動こうとするのでしょうか?
依頼者に認められようと思っているんですよね。
つまり有能であろうとしちゃうってことです。
有能という評価は良い成果を出せる人に与えられます。
一方で有能と評価されない人は、単純に実力が足りないんですね。
しかし実力は簡単には向上しない。時間と労力をかけて築くものなのです。
よって有能に見せようと試みても、一石二鳥ではできるはずがありません。
有能と評価されない人が、認められることは不可能なのでしょうか?
そんなことはありません。
有能であることにこだわらず、誠実な人として認められればいい。
実のところ誠実さも、有能さに負けず劣らず人に良い印象を与えます。
- 仕事を任せてみたい人は以下のどちらですか?
- 手早くしようとするが、うまくできずに雑になってしまう人
- 一つの動作を的確にする人
そりゃ当然、動作を的確にする人でしょう。つまり有能さよりも、誠実に仕事するという価値観が大切なのです。
むしろ手早く仕事をする人の「私はできるアピール」は嫌われますよね。
自分の実力を見せつけて周りの人をマウンティングしているように思われるからです。
一方で誠実に仕事に取り組む人は嫌われにくいでしょう(不まじめな人はプレッシャーを感じるかもしれませんが)。
正しい手順をしっかりと確認し、自分の動作をチェックしながら仕事をスマートにやりきる。
落ち着いているのでミスが少なくなり、結局焦っているときよりも仕事が迅速にできる。
また上司の視点からみると、誠実な態度というのは、良い評価を付けたくなる要素ですよね。
つまり誠実に仕事に取り組むことも、認めてもらえる1つの方法なのです。
ひとつだけ注意しておきたいのですが、1つの仕事へ「やりすぎ」なほどこだわり続ける態度は誠実でない。
完璧にこだわらずに9割5分の仕上がりで仕事を手放す勇気もときには必要でしょう。
誠実な仕事ができれば認められ、認められれば自信になる。
自信があれば焦らずに行動できるんです。
まずは目の前の仕事に対して誠実に取り組みたい。
誠実って何?本当の真心に迫る。誠実を身につける基本姿勢を知る
昔、私は恋人を裏切った……暗闇の海に沈められたような後悔は、二度としたくない。 だから今こそ誠実でいたいと思う。しかし誠実というイメージがうまくつかめない。 「自分に誠実」って「真面目」と意味が違うん ...
2.事前準備が焦りの改善になる
集中して仕事をしていても、不測の事態が起きるといきなり焦りだしてしまう。
心に余裕がない状態では、トラブルに対応できないんです。
そんなときはどうすればいいのでしょうか?
簡単ですよね、
事前準備をすればいい。
心に余裕を生み、不測の事態に対処するには、事前準備が大切なのです。
普通の感覚だと準備は仕事を請け負ってから行う。スケジュールに余裕があればゆっくりと準備をしながら、難しいタスクに挑戦できますよね。
しかし準備期間がない緊急の仕事が多い人もいるでしょう。
それでも準備はできる。
空き時間に将来起きる仕事のことを気にかければよいのです。
ここでは事前準備の方法を4つ紹介します。
- 時間を確保するスケジューリング
- イメージトレーニングをする
- 周りの様子から学ぶ
- 知識を取り入れる
時間を確保するスケジューリング
テンパっている人は焦りの沼に落ちてアップアップしています。
そのため精神的に疲れてしまい、空き時間に事前準備をしようなど思えない。
結果として焦りがさらなるミスを招く……といった悪循環が発生してしまう。
熱心に仕事をするのはよいことでしょうが、限度がありますよね。
疲れを防ぐには、限度を超えてやりすぎない余裕が必要です。
仕事の余力時間の確保も当然ですが、プライベートの余力も確保もしたほうがよい。
そのためには自分の時間容量を把握して、無理が生じそうな予定をやりくりするんです。
ときには仲間と協働したり、仕事を割り振ったりするなどの対応をしたい。
仕事を協働で進める能力は、職位が高くなるほど役に立つので、早いうちから身に付けたいものです。
時間の確保については、以下の記事が参考になるかもしれません。
仕事が忙しすぎる。断りたい仕事を断らずなんとかするアイデア
仕事を振られすぎてストレスを感じている。それを誰かに相談すると「嫌なら断ればいいじゃん」と言われてしまう。 断れないから仕事を請けている。そんなふうにバッサリ言われてもどうして良いのかわかりません。 ...
イメージトレーニングをする
プロのフィギュアスケーターは、氷上で最高のパフォーマンスができたイメージを、明確に心の中に描けるようです。
うまく行った場面を何度も想像することは、自分に自信をつける1つの成功体験になる。
それではアスリートに倣って、焦らず正確に作業をこなす自分の姿を想像してみましょう。
深呼吸などで心を落ち着けてリラックスし、目を閉じて成功イメージを思い浮かべる。
眠る前・目覚めてすぐ・お風呂に入っているときなどが効果的なようです。
イメージトレーニングの方法は以下のページが参考になるので確認してみてください。
イメージトレーニングは視覚だけでなく、聴覚、触覚、味覚、嗅覚、身体感覚、こころの状態などを鮮明にイメージすることが重要
と、以上のサイトで紹介されています。
成功イメージの繰り返しが自分の活動に自信をもたらすでしょう。
周りの様子から学ぶ
仲間の仕事を観察していると、良いところも悪いところもたくさん見えてきます。身近な人は情報の宝庫なのです。
仕事中に余裕があるとき、近くの人が働く様子を観察してみる。
相手が何を感じているのか、五感を使って想像してみます。
1つの行動が何を引き起こしたのか、事実と結果の因果関係を探るとよいでしょう。
知識を取り入れる
学びの習慣があれば、自力がどんどん高まります。仕事に関することや心理学など、積極的に学びたいですね。
下積み時代に努力をした分だけ、やがて仕事ができるようになり、自分がしたいことを選べるようになってくるでしょう。
したいことができるようになれば、楽しく主体的に活動できる可能性が高まります。
ではどうやって学ぶか。方法はたくさんありますが、以下の方法が一般的でしょう。
- 書籍や雑誌、ウェブページを閲覧する
- 会社にある事例を読み込む
- 先輩に指導を仰ぐ
- 仲間と研究会を作る
心に余裕があれば、トラブルに落ち着いて対応できます。
問題解決は成長への踏み台になる。
成長できれば自信がつくので、焦る性格の改善につながるでしょう。
仕事で焦ったときの対処方法
3.深呼吸でリラックス
落ち着くためには深呼吸
ほとんどの人はこのテクニックを知っていますよね。
深呼吸は自律神経を調整する効果がある。
自律神経とは主に活動時に働く交感神経と、主にリラックス時に働く副交感神経がバランスを取りながら働いている、体の状態を保つための機能です。
物を取るなど意識的に体を動かすための運動神経とは違い、自律神経はほぼ無意識で活動する。
この自律神経のバランスが乱れてしまうと、自らの意志は関係なく、落ち着きがなくなってしまいます。
落ち着きがないときは交感神経が過剰に優勢になっている状態です。
つまり副交感神経の働きを高めることで交感神経の働きを低め、自律神経のバランスを整えるんです。
どうして自律神経の調整に、深呼吸が有効なのでしょうか?
生理学的に,深呼吸をすると迷走神経が興奮して心拍数減少が認められており,副交感神経活動が優位になるといわれている
迷走神経とは内臓の運動などを促す神経で、その働きは主に副交感神経性ということです。
なので深呼吸をすれば副交感神経の活動が高まりリラックス状態に入りやすいという理由があるんですね。
また緊張しすぎず、リラックスしすぎずの状態は集中力を発揮しやすい。
焦りを止めるどころか、仕事のパフォーマンスを高めるために、深呼吸は役立ちます。
深呼吸の方法は、もちろん簡単です。
- へそのしたに意識を向けて、息をゆっくりと(肺が空っぽになるまで)吐ききる
- 反動に任せて鼻から息をたくさん吸い込む
- そしてまたゆっくりと吐ききる(気持ちが落ち着くまで繰り返し)
具体的な方法は以下の記事が参考になると思います。
深呼吸で緊張を和らげる方法。心理学的な簡単リラックス理論
ビアノの発表会・大事な部活の試合・入社面接……これまで人生の大事な場面で、極度の緊張を感じてきた。 がんばらないといけないときに不安がつきまとう。おまじないにも頼ってみるが、まったく効果は出ない。 あ ...
またリラックスを促すためには吐く時間を長くするのがポイントです。
深呼吸時に吸息時間より呼息時間を長くすることで,副交感神経をより高めるという報告もみられた
以上2つの引用:深呼吸によるストレス緩和効果
「焦ってきたら深呼吸」と何度も脳に言い聞かせて、ピンチのときに再現したいですね。
4.周りの人に焦りを注意してもらう
深呼吸をしたいときは、焦っているとき……
しかし普通は焦っていることに気づきにくいものです。
ではどうしたらいいのでしょうか?
周りの人に注意してもらえばいい。
つまり「焦っていますよ」と教えてくれる人を準備しておくのです。
問題なのは(自分以外にも)注意をうながすと「ムッとする」など反発をする人がいるため、周りの人はわざわざ注意する気になりません。
一方で自分から「注意して」と申し出れば、相手も自分も心理的な負担を減らせます。
私は忙しくなったり、問題が山積みになったりすると焦っちゃってミスが多くなるんです。
もし私が焦っていると感じたら、注意していただけませんか?
このように前置きをするだけで、ずいぶん相手は気が楽になる。
また自分も前置きすることで、「注意されるのは当然で、ありがたいことだ」という心構えができるでしょう。
お互いが相手を受け入れて、気にせず言い合える関係ができると、安心できる空気感が職場に生まれます。
安心できる空気感がある職場は、意見交換が活発になり、お互いを改善・向上するような土壌が醸成されます。
「弱み」を助けてもらい「強み」を誰かのために役立てるために、自ら進んでコミュニケーションを取りたいですね。
3つの原則でわかる信頼関係の築き方。利益&貢献をつきつめろ!
構築した信頼関係が崩れるとつらい。まじで苦しくなる。 職場・営業先などのビジネスシーン、恋愛・家族などのプライベート、このような人間関係では信頼の築き方がなにより肝要なのだ……。 自立して生きていく以 ...
おさらい
失敗を恐れてテンパってしまうと焦る。
「ちゃんとしなきゃ」という気持ちが失敗を恐れる原因です。
つまり周りの人に認められたいという気持ちが大きいのではないでしょうか。
まずは有能であろうとして速さを求めるよりも、一つの仕事を着実に終わらせる誠実さを持ちたい。
誠実だと周りの人に好かれるので、自信が持てる。
また事前準備ができている人も余裕と自信があります。
自信があると「ちゃんとしなきゃ」が「ちゃんとできる」になるので焦らない。
もし焦ってしまっても前もって対処を決めていたら大丈夫です。
落ち着かない気持ちを和らげるために深呼吸をしましょう。
焦りというのは自分では気づきにくい。
そのため周りの人に協力してもらい、焦った自分に対して遠慮せずに注意してもらえばいいんです。