あがり症の私は人前で話すと、緊張して声が震えてしまう。そのためプレゼンが決まってから、常に不安を感じるようになった。
つまり日常生活でもストレスフルなのだ。
しかし友人は急に緊張しなくなったという。なにか人前で緊張しないコツがあるのだろうか?
深呼吸など、あがり症の対策方法を知っても、緊張体質は変わらないでしょう。
人前で緊張しない方法はあるのでしょうか?
日頃からリラックスする習慣を持てばいい。
緊張を克服した人たちが自然に取り入れている、5つの習慣をご紹介します。
目次
1〜2.洞察の習慣で心を平静に保ち、緊張のプレッシャーを克服
1.感情が動いたら、いつでもメタ認知
「緊張は必要な現象である」
僕はこのブログで何度も伝えてきました。
しかし過去の失敗やガチガチの姿を笑われた経験など、嫌な思い出のせいで緊張を悪者にしてしまう心理も分かります。
もちろん緊張は悪者ではありませんよね。
「今から本気を出すぞ」と体が宣言しているから緊張する。
まずは緊張を受容しましょう。人前であがるのは当たり前なのです。
あがってしまって「あがっちゃだめだ」と無理なことを考えて混乱するから、体が過度に緊張してしまう。
反対に「どうやら緊張してきている。つまり自分の本気を発揮するチャンスだ」と捉えて身体に興奮を呼びかければ、火事場の馬鹿力につながります。
ではどうしたら緊張を受容できるのでしょうか?
緊張を感じた瞬間を客観的に捉えればいい。
しかし焦っているときは、自分の心を客観的に見るのは難しいでしょう。
なので常日頃から、自分の感情と思考がどのような行動を起こしているか検知する「メタ認知」を習慣にしましょう。
- 「はらが立つ」ではなく、「私は怒っているようだぞ」
- 「うれしい」と同時に、「誕生日を覚えられていたから、認められた気がするんだ」
- 「落ち着け、自分」ではなく、「おっと緊張してきた。どうやら自分は本気になったらしい」
と考えるくせが付けば心に余裕が生まれ、過度の緊張を防ぐ対処が可能になるのです。
自己成長で一番必要なことはメタ認知!やる気を続かせる省察
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2.とにかく人に興味を持つ
興味がある人を観察すると……いつまでも集中して見られますよね。一方で興味がない人を観察し続けるのは苦痛かもしれません。
実は興味がない人を観察できるスキルがあれば、心に余裕が持てるのです。
下の記事でお話したように、自意識過剰が緊張を引き起こしますよね。
人前で話す緊張を克服する3つのテク。発表も面接もどんとこい!
反対に他者へ意識を集中すれば心は楽になる
しかし興味を持てる人ばかりではない?……イヤイヤどんな人にも興味は持てます。
どんな人にも興味を持つためには、他者を観察する習慣を持ちましょう。
仕事の空き時間・電車通勤の途中などで、普段なら意識に止めないような人をじっくり(ばれないように)見つめる。
観察の取っ掛かりは、自分に関連することがやりやすいですよね。
- 絵が好きなら、後から思い出して描けるレベルまでくまなく見る
- ファッションが好きなら、他者のコーディネートのいいところ(悪いところ)を見つける
- 同僚の仕事が見られるなら、効率がいいところやユニークな発想を探してみる
また見知らぬ人が今どんな感情なのか想像するのも面白い。
しかめっ面でスマホを見ているおじさんが、ときおりニヤリとする。
笑いたくなるようなネットニュースを見ているのに、たぶん人前だからってこらえているんだろう。
素直になれないタイプ?またはTPOを気にしている?それでも見たいってことは、よっぽどそのニュースにひかれているっぽいな。
他者の観察を練習しておけば、緊張しそうな場面で客観的に状況を見渡せるようになるでしょう。
3〜5.行動習慣を変えることが緊張克服のメンタルトレーニングに
3.体作りで自己効力感を育成する
もし命を脅かすモンスターに出会ったら?
人は身の危険を感じると緊張し、戦ったり逃げたりする力を発揮しやすくなる。
一方でまったく体力がなければ、何もできずにやられてしまうかもしれない……。
つまり肉体の活動性が高いと、困難に立ち向かう自信になりやすいのです。
しかし体力があっても、人前での発表とは関係ありません。
人前に立つときの自信はどうしたら得られるのしょうか?
自信は成功体験によって作られます。
例えば発表で成功した経験があれば、次の機会には緊張しにくくなるでしょう。
同じこと以外の成功体験でも自信は持てます。努力の結果、難しいテストをクリアーした経験も発表への自信につながるかもしれません。
つまり自分はやればできるという「自己効力感」を高めることが重要なのです。
自己効力感は大きな成功でなくても高まります。毎日の生活で小さな成功を味わえばよい。
小さな成功を生み出すために、日々チャレンジを続けましょう。
日々のチャレンジはなんでもよいですが、ここでは取り組みやすい筋力トレーニングをおすすめします。
例えば腕立て伏せが昨日10回できた人は、今日11回できたら自信が付きますよね。
このように前日の記録を乗り越える挑戦に毎日取り組めば、小さな成功体験になり、自己効力感は次第に高まってきます。
僕がおすすめするトレーニング方法はプランクチャレンジです。
当ブログでも繰り返し伝えている30日チャレンジを、腹筋を鍛えるプランクというトレーニング方法に適用したプランになる。
プランクはうつぶせに寝ている状態から少し起き上がり、身体を両肘と両つま先の4点で支える動作を数秒〜数分のあいだ維持するというトレーニングです。
非常にシンプルな動作なので、プランクは簡単に覚えられます。ヨガマット1つあれば気軽に挑戦できる。
ベストセラーのヨガマット:Amazon | LICLI ヨガマット 10mm 7カラー
毎日少しずつ継続時間を伸ばせば、昨日の自分を乗り越えるための自信になるでしょう。
詳しいトレーニング方法は以下のページが分かりやすかったので、参考になると思います。
30日プランクチャレンジ|キツイけど効果大|小さな成功で人生変わる
また単純に体を鍛えると、肉体面で自信が湧き、胸を張って歩けますよね。
胸を張って歩くというモーションを取ることで、精神的にも「自信があるんだな」と感じられ、自分が誇らしく思えます。
日々の筋トレは自己効力感を鍛える手っ取り早い方法なので、気軽に実施しましょう。
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4.環境を良くする
「服装の乱れは心の乱れ」というように、自分を取り巻く環境はメンタル面に影響を与えます。
つまり身の回りの環境を良くするだけで、普段から不安をため込みにくくなるので、心に余裕をもたせられます。
おすすめの環境改善方法は3つ。
- 片付け
- 森林浴
- アロマテラピー
片付け
僕自身メンタルの調子が悪いときは、結構部屋を散らかしてしまいます。
今では笑い話ですが、本当に心が病みまくっていた時代は、汚部屋と言えるほどでした。
現在は集中できる環境を作るために、部屋の片付けは欠かさず行っています。
時間がかかる掃除は週末にまとめて(それとルンバが)しているので、日々の行動は出したモノをしまうだけです。
部屋を片付けるという行動は心の整理に似ているのでしょうか。自己コントロールができる気になってくるので、やる気スイッチを入れるのに最適です。
自分の部屋だけでなく、仕事場も整理するとよい。
机の上に何も置かないようにしたり、こまめに書類をデータ化し破棄していけば、いつもスッキリとした状態で仕事に臨めます。
一点注意があるとすれば、家族や同僚が身の回りを汚しても、ストレスを感じないようにすることです。
僕は仕事部屋の自室は整理をこだわりますが、家族と共用のリビングはそれほどこだわりません。
散らかされてイラッとしてしまいそうなときは、家族の荷物を脇に押しやり、見た目だけでも整理する。
自分の仕事は自分自身でして、周りの人の仕事は周りの人自身がするというルールをなるべく適応しています。
森林浴
パソコンの前やオフィスの空間など、人工物に囲まれた生活をしているなら、ぜひ森林浴に行きましょう。
これまでに森林浴のリラックス効果についてはいくつか検証があるようで、以下のような効果が期待できるということです。
- 森林では怒りや攻撃的な気分が有意に低下し,都市では上昇したこと
- 森林における歩行後ならびに座観後に活気が都市に比較して有意に高く,緊張―不安,怒り―敵意,疲労,混乱が有意に低かったこと
- 森林を訪れた日は対照日に比較して敵意,抑うつ・不安が低下し,活動的快の感情が増進したこと
- 木材のにおいにより緊張― 不安,抑うつ―落ち込み,疲労が低下する傾向にあったこと
引用元:森林セラピーの心理的リラックス効果(当記事の著者により、リストに改変)
つまり森林を歩くことで、
- ネガティブな気持ちになりにくく
- ポジティブな気持ちが起こり
- ストレスが軽減した
ということです。
森林浴が難しければ、公園の木々を眺めながら散歩するだけでも、多少の効果は出るでしょう。
また森の写真を眺めるだけでも、リラックス効果があるようです。
アロマテラピー
よい匂いで環境を満たすアロマテラピーも、リラックス効果が確認されている。
3つの香りを用いて気分の変化を測定した実験では、以下の結果がでています。
ニオイを嗅いで気分の変化を感じた人は、「変わった」32名、「どちらでもない」27 名、「変わらない」7名だった。
(中略)気分が変わったと答えた32人に、自由記述で変化の内容を尋ねた。
その結果、自由記述の94%がニオイを嘆いだ後に肯定的な変化を記しており、中でも「落ち着いた」と記している人は37%、「リラックス」「眠気」が各20%だった
つまりほぼ半数の人にアロマテラピーによる気分の変化が確認され、そのうちの94%がリラックスを感じる良い気分になった。
この実験で使われた精油はラベンダーとサイプレス、ベルガモットです。
ラベンダーの香りはあまり人気がありませんでしたが、リラックス効果はでたようなので、好きな香りだから効果が出るという因果関係ではない。
つまり好き嫌いという基準だけではなく、リラックス効果をうたっている商品を中心に香りを選んだほうが良さそうです。
一部のアロマオイルは反対に興奮作用があるので、お店の説明書きをしっかりと読んでから購入しましょう。
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5.朝の活動で幸せを感じる
もし心の余裕があったら大舞台で失敗しても耐えられる。つまり幸せを感じていれば、ある程度の困難は対処できるのです。
幸せは心地よい心理状態のときに感じられます。心地よい状態とは脳内で活動する神経伝達物質の働きにより生まれる。
心地よい神経伝達物質の一つはセロトニンです。
このセロトニンは通称:幸せホルモンと呼ばれ、不快を緩和し心地よい精神状態をもたらすという効果がある。
セロトニンを生み出すには2つの要素が重要です。
- 朝日を浴びる
- トリプトファンを摂取する
朝日を浴びる
セロトニンは朝日を浴びることで生成されると考えられています。
セロトニンの合成は、朝起きてからスタートし、午前中にピークに達し、午後になると低下し、夜になるとほとんど作られなくなります。
これが、正常のセロトニン合成のリズムです。そのスタートの合図が、朝の「太陽の光」なのです。
朝日の光は晴れの日で2500ルクスなのですが、その光量が体にセロトニン合成を始めさせるスイッチになる、ということ。
僕は日の出の時間に5〜10分くらいの散歩を心がけています。
自宅の近くに桜並木があり、森林浴効果も期待できる。フレッシュな気分になるのでやる気も高まり、一石二鳥ですよ。
また朝の光を浴びるのは睡眠不足の解消にも有効です。
人間の体内時計は25時間であり,1日の長さよりも1時間長く,朝から昼まで光を浴びると生体リズムは1時間前進し,24時間に修正される。
睡眠不足もリラックスができない原因になりがち。ゆっくり休むと緊張が和らぎますよ。
朝の散歩はいいことずくめなのです。仕事の都合などがなければ、ぜひ早起きをして朝日を浴びましょう。
トリプトファンを摂取する
食事に気をつけると、より効果的にセロトニンが作られる。
セロトニンの生成にはトリプトファンというアミノ酸の一種が必要です。
トリプトファンは主に食事から摂取する。
ではどのような食事をすればいいのでしょうか?
トリプトファンは必須アミノ酸であり、食べ物から摂取しなくてはならない。
しかも、植物性のタンパク質には少なく、食肉、魚などに多いことが知られている。
唯一の例外は豆で、大豆などはトリプトファンを多く含む。
つまり朝食でしっかりタンパク質を摂取することが求められます。
しかしタンパク質を摂取しただけでは、トリプトファンはうまくアミノ酸に変化しない。
血中のトリプトファンが脳内に取り込まれることにより、抗うつ物質であるセロトニンが作られるが、その際にインスリンの存在が不可欠である。
ブドウ糖や砂糖はインスリンの放出を促すことにより、トリプトファンの脳内への輸送を促進し、脳内でセロトニンの産生を高めている。
脳の栄養~ブドウ糖(砂糖)とトリプトファンを中心として~|農畜産業振興機構
つまり朝食はタンパク質だけではなく、お米などの炭水化物をあわせて摂取したほうがよいということです。
糖質制限ダイエットを試みている人も、朝はご飯を食べたほうが良さそうですね。
しかし早朝から仕事をしている僕はガッツリ食事をすると眠くなるので、朝食は少なめに取っています。
主なメニューはバナナと豆乳です。バナナ自体にもトリプトファンが含まれており、タンパク源である豆乳と合わせて食べると効果的だと考えています。
基本的には朝食をキチンと食べる。例外として朝食が苦手な人は、バナナと豆乳のような大豆製品を軽く食べると良いでしょう。
おさらい
暗い気持ちは不安を生み、行動を起こすときによみがえってくる。この不安の想起が緊張を強めるのです。
過度な不安に陥らないためには、表面的な問題に振り回されないようにする。
つまりいらっとしたり、悲しくなったりしても、「本当は心配ないんだ」と問題の本質を見極める手段を持てばいい。その手段がメタ認知です。
また自意識過剰になると緊張は強まりやすい。
よって意識を自分ではなく他者に向けるようにトレーニングしておくと、ここぞというときにも余裕を持ちやすくなるんです。
日々の習慣で幸せを感じられると、体も心もリラックスできます。
生活習慣や環境を整えて、毎日を楽しく送れれば、心に余裕を持てるので緊張しにくくなるでしょう。