「自分はがんばっているのに……」周りの環境が仕事の足手まといになる。そうなるとイライラしてしまい、泣きたくなることもあるでしょう。
どうしようもない仕事のトラブルは、思いプレッシャーとなって自分を苦しめます。
苦しいストレスに対処するにはどうしたらよいのでしょうか?
涙はストレスを和らげると科学的な示唆があります。
イライラへの正しい考え方を知り、泣くことを生活に取り入れたいですね。
目次
仕事のストレス解消に取り組む基本方針
価値観が変われば影響も変わる
あるストレッサー(ストレスの原因)から受ける感覚は人それぞれです。
つらく感じる人もいれば、まったく気にならない人もいる。基本的に嫌なことは誰でも不快に感じますが、中には快適に思う人だっています。
つまり原因に対する価値観を変えてしまえば、ストレスは感じにくくなる。
もちろん現時点で泣きたくなるようなストレスに苦しんでいるのなら、価値観を変えるのはとても難しい。
しかし価値観を変えられるのは事実です。試しに拳銃を突きつけられたというシチュエーションで検討してみましょう。
全身に緊張が走り、胃がねじ上げられ、足が動かなくなり、無力に助けを乞う
(僕はそんな経験がないのでわかりませんが、映画などを参照にすると)このような状態になる。
拳銃は自分の命を脅かすので恐怖を感じさせ、強い痛みを想像させる。ストレスを感じるのは無理もありません。
しかし自分自身がバラバラに分解された拳銃を一から組み上げて、弾を込めずに銃口をこめかみに当てると想像してみましょう。どう感じますか?
拳銃自体は恐ろしいものなので多少は緊張するが、足がすくむほどのおびえはない
このように同じ物事でも知識や理解があれば感じ方は変わる。
ストレスの原因を分析できれば、価値観を変えることはそれほど難しいことではありません。
自分の心の世界を変えることは難しい。ただし焦らず少しずつ良くしていこうと思う気持ちを持ちます。
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「うつ」を見極める
(たとえ会社がブラック企業だとしても)仕事を投げ出すのは難しいですよね。
経済的な理由もありますが、それ以上に環境になじめば異常に慣れてしまう。
そのため「これくらいあたり前のことだから、逃げ出さずにがんばらなきゃ」と決めつける。
もし自分が抱えているトラブルが異常なストレッサーだった場合、立ち向かえずに精神を病むかもしれません。
厳しいストレスを感じている人が「価値観を変えて楽になろう!」と決意しても、異常なストレッサーがある環境では難しいでしょう。
常識や価値観は主観的なものです。しかし考えや体の不調は客観的にとらえられる。
まずは以下の厚生労働省がまとめた「うつ」のチェック項目を試してみましょう。
- 憂うつな気分
- 趣味などが楽しめない
- 体重の減少または増加、食欲の減少または増加
- 寝つきが悪い、夜中に目が覚める、朝早く目が覚めてしまう、どれだけ寝ても眠気がとれない
- 気持ちが焦るイライラしやすい
- 疲れやすい
- 価値のない人間だと思う、周りに対して申し訳なく思う
- 思考力や集中力が低下する、決断が難しい
- いっそのこと消えてなくなりたいと思う
厚生労働省は以上の症状が2週間以上続く場合には、「うつ」が疑われますので、専門家(精神科、心療内科)に早めに相談する
ように促しています。
僕も同じようにおすすめします。該当する方はこの記事から離れて、下のリンクをご覧になったほうがよい。
2 ストレスからくる病:ストレス軽減ノウハウ|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
「離れる」を見極める
もし2週間続いていないとしても、ストレスを感じることが頻繁に起こるようなら、会社から離れることを検討しても良いと思います。
つまり休職、または退職するということです。そうなるとせっかく築き上げてきた信用や実績を失うかもしれない。
しかし会社での立場が異常な状況だった場合、離れてしまわないと取り返しがつかないかもしれません。
そこで自分なりに状況を分析して、
- 価値観を変えたほうが良いのか
- 環境から逃げ出したほうが良いのか
を前もって検討しておく。
そのためにまずはストレッサーを分析します。具体的には、
- どのようなきっかけで発生するのか
- どのような場所で発生するのか
- 誰が引き起こすのか
- どれくらいの頻度で発生するのか
- 具体的に何が起こるのか
- それを受けてどのような気持ちになるのか
というような情報を抽出します。たとえば
- 営業成績を報告したとき
- 営業部のエリアで
- 営業2課長が
- 月に数回
- 営業成績が悪いと指摘される。他のメンバーと比較される。大声で聞こえるように。周りの人も笑っているように見える。
- 情けない。逃げ出したい。苦しい。ムカつく。
となる。外部要因(相手・状況など)への良し悪しは検討しません。それを表現にまとめると
営業成績を報告したときに、成績が悪いと営業部の課長に指摘されます。指摘の声が大きいので周りのメンバーに聞こえます。
他のメンバーと比較されるので情けなくなります。周りからも笑われているように感じます。
その場から逃げ出したくなります。反対に上司や他のメンバーがむかつきます。とにかく苦しいです。
この情報をもとに誰かに相談します。そこで相手や状況の良し悪しを判断してもらえばいい。
- 友人
- 信頼できる同僚
- 家族
- SNSで関わり合いを持っている人
- 専門家に相談する
できるだけ多くの人に聞いたほうが偏りのない意見になる。
僕は専門家に相談することをおすすめします。先ほど紹介した厚生労働省のサイトに窓口がある。
専門相談機関・相談窓口|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
この情報をもとに自分の置かれている環境が「パワハラ」「ブラック企業」と該当するようなら、「離れる」ということを検討しても何ら問題はありません。
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自己呈示を止めて自己開示で人間関係を改善
自己呈示というのは「自分に都合が良い情報を開示して、良い印象を与えようとする行為」です。
見栄と似ていますが少し違う。誇張した表現をしていなくても、
- 不利になることを見せない
- 強いところを隠す
- 弱いところを見せる
というように、自分に都合の良い情報操作は可能です。
自己呈示にはさまざまな目的があります。しかし目的のために自分の姿を調整するというのはストレスの原因になる。
周りの人が都合の良いように解釈してくれない場合、うまくいかない気持ちが焦りにつながり、プレッシャーを生みます。
自己呈示は努力とは無関係の他人に良く思ってほしい気持ちです。思うように評価をされないことでストレスになる。
そういった理由で自己呈示は控えたほうがよい。一方で自分のありのままの姿を表現する「自己開示」にはストレスが少ないと言われます。
もちろん言いにくいことを伝えるのは勇気がいる。一時的に緊張感で苦しくなるでしょう。
しかし良いところも悪いところも調整せずに、ありのままの姿を話せるので、周りの人には真実の自分を表せる。
自己呈示のように虚像を作らない自己開示では、周りの視線を気にしなくなるのでストレスが少ない。
そうして親交を深めた仲間とは安心して付き合えるので、リラックスできる関係を築けます。
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目標主義からポリシー主義へ
仕事の目標にこだわることは、社会人に求められる態度かもしれません。
しかし必要以上にこだわってしまうと、目標への障害が発生したとき、強いプレッシャーを感じてしまう。
もし他の仲間に足を引っ張られるように感じたら、イライラして相手を責めたい気持ちになる。
しかし仲間を責めても解決方法が生まれるわけではない。むしろ余計なエネルギーを使い自分も仲間も疲弊させるだけです。
そのため目標を達成させるという気持ちは持ってよいのですが、それと合わせて自分を突き動かすポリシーを大切にします。
仕事をする上で大切なポリシーとは何でしょうか?僕は
- 良くする
ということが重要だと思います。言い換えると「革新的態度」「科学的態度」といった具合です。
誰かがミスをした→責める・陰口をたたく・責任を押し付ける
という行動を止めて、
誰かがミスをした→さて、どうしたら良くなるのだろうか?
と考える。もしかしたらそのせいで自分の任された仕事が失敗するかもしれない。
それでも誰かを責めずに前を向いて考えられる人は、周囲に対して誠実な印象を持たれます。
誰かのせいで少し評価を落としても、一貫してポリシーに誠実な行動を取れば、全体的な信用度は高まると考える。
一度自分の根本的な信念を考えてみましょう。それが自分なりのポリシーを生み出します。それが迷ったときでも諦めない態度を育てる。
揺るぎない信念を持つ。実践しやすい根本信念の見つけ方を解説
自分を支えるものといえば、家族・ペット・仲間・栄光・地域……いろいろとあるが、最終的に頼れるのは自分だ、と世間ではよく言われている。 自分というのは不確かなものだ。自分を頼るなんてイメージがわかない。 ...
以上のようにストレスに対処する基本方針は、
価値観を変える
ということに集約されます。実際は変えるというよりは「広げる」といったほうがしっくりくるかもしれません。
もちろん対処ができないストレスは、信頼できる家族や仲間と対処したり、場合によっては専門機関に相談する。
簡単に価値観は変えられないでしょう。なので日々のストレスに向き合いながら、徐々に改善する必要がある。
日々のストレスに対抗する手段はどのような方法があるのでしょうか?
泣いて冷静になった後に作戦を立てればいいのです。
もうイライラしない!仕事のストレスに対処する具体策
一時的な対処を試みる
ストレスを感じると不快を感じる。その状態を解消するために自分なりの対処方法を知っておきます。
一番のおすすめは「泣く」ことです。当記事のタイトルにもあるように、泣きたい気持ちになっている人は、いったん泣いてしまいましょう。
少し小難しいですが、涙のリラックス効果を説明した資料の一節を紹介します。
ドラマを見たり,心理療法を受けて,涙が溢れるとき, 共感に関与する内側前頭前野において,特徴的な血流変化が認められる.
(中略)自律神経のバランスは,覚醒状態にありながら,極端な副交感神経の興奮状態にシフトする.この時,(中略)すっきり爽快の気分が現れる.
副交感神経というのは自律神経の一種です。睡眠時や食物を消化しているときに優位になる特徴を持つ。つまりリラックスしている状態です。
泣くとスッキリした経験は多くの人が持っているでしょう。仕事で発生したイライラも泣くことによって軽減される可能性が高い。
ここで気をつけたいのは自然に泣くということです。
先ほどの資料には役者の涙は逆にストレスを増強させる場合もある
と不自然な涙 へ注意を喚起しています。
そのため仕事と関係のない方法で涙を誘発します。おすすめは感動的な映画を見ることですね。
僕はアマゾンビデオをよく使っています。無料で見られる動画が多いので重宝していますよ。
もちろん「泣く」意外にもストレスを解消する方法はあります。好みに合わせて用いましょう。
- 運動
- 読書
- カラオケ
- 信頼できる人との会話
など、熱中して達成感・知的好奇心・相互理解などの心地よい欲求を満たす。
反対に止めたほうがよいストレス解消方法は、
- ギャンブル
- 酒
- やけ食い
- 悪口
などの後になって悪い感情をもたらす行為です。後悔や自己嫌悪はストレスになる。
耐えきれないイライラはいったん悪口として吐き出してもよい。
しかし後から「どうしたら良くなるのか」という視点に切り替えなければならないことを忘れずに。
分析をする
対処をしたら気分が軽くなっているはずです。次は自分に向き合って詳しく気持ちを調べていきます。
具体的な方法は「離れる」を見極めるの節で紹介しました。少しアレンジして以下に再提示します。
- 何がストレスなのか
- どのようなきっかけで発生するのか
- どのような場所で発生するのか
- 誰が引き起こすのか
- どれくらいの頻度で発生するのか
- 具体的に何が起こるのか
- それを受けてどのような気持ちになるのか
ストレッサーに向き合うことで、客観的に状況を捉えられる。
書き出すことでストレス解消にもつながり、一石二鳥です。
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「良くする」行動に落とし込む
分析の結果を踏まえて、自分で変えられる行動を検討します。
営業成績を報告したときに、成績が悪いと営業部の課長に指摘されます。指摘の声が大きいので周りのメンバーに聞こえます。
他のメンバーと比較されるので情けなくなります。周りからも笑われているように感じます。
その場から逃げ出したくなります。反対に上司や他のメンバーがむかつきます。とにかく苦しいです。
というストレッサーに対してどうしたら良いでしょうか。
- 営業成績が悪い
- 悪い理由を検討し、改善案を考えておく
- 良くなっているところを図表にして説明する
- 課長に指摘される
- 課長に相談して一緒に改善案を考えてくれないか頼む
- 課長のアドバイスを受け入れて試行錯誤する
- 課長の声が大きい
- 人がいない場所で話をするようにお願いする
- 部長に相談する
- 周りと比較される
- 周りは何がよいのか具体的に聞いて参考にする
- 課長が求める人物像を具体的に聞く
- 周りから笑われている気がする
- 周りに相談してアドバイスをもらう
- よく思われるよりも向上できればいいと考える
というようにリストにまとめます。ストレッサーが発生したときに内容を思い出して、できそうな対処方法を試します。
できないことは無理にしなくてもよいですが、アレンジを変えてできるようならその方法を考える。たとえば、
部長に言いづらい→「後輩にアドバイスするときにはどうしたらいいですか」と自分事にして相談してみる。そこで課長の話題を出してみる。
のように。普段の行動を変えることが抜本的なストレスの改善につながります。こちらは積極的に挑戦するように心がけましょう。
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おさらい
ストレスに対する自己評価はあてにならないので、チェックシートなどを使用して客観的に確認する必要がある。
状況が悪くなるほど適切な自己判断ができません。深刻な状態に発展する前に何かしらの行動を起こします。
元気があるならいつもの行動を変えて状況を改善することに取り組む。
ストレスが重くなると視野が狭くなりがちです。多様な価値観を受け入れる意識を持って少しずつ変えていきましょう。
イライラして泣きたくなったら我慢せずに泣く。無理やり泣かずに自然に涙を流せるようなシチュエーションが好ましいでしょう。
その後にストレッサーの分析と、改善行動計画を立てれば、ストレスへの対応が身につくはずです。