自分のしたいことを精一杯がんばっている人は、強烈なメッセージを持っている。
そんな人を見て「あなたにだってできる!」という価値観が得られると、「私もがんばりたい」と思えます。
「自分を変えたい」と思うことは非常に勇気が必要です。だって普通の人は変わるってことを恐れて言い訳ばかりするのだから。
しかし変えて成長することは非常に難しい課題です。理論的には賢人を真似すればよいのですが……なかなか厳しいですよね。
変えるにはにはどうすればよいのでしょうか?
自分なりのペースと行動計画を立てる。
努力を習慣にすることで、いつでも好きなように変化を続けられる自力が付きます。
目次
自分を変えられない原因は、行動に移せる力がないから
どう変えたいのか、わかっていない
- 酒をやめたい
- タバコをやめたい
- 健康的な食生活をしたい
こういった具体的な問題に気づいたら、自分が変わりたいと思う気持ちを持ちやすい。
しかしそれらの問題がないのに、現状の自分に不満足を感じているなら、何をしていいのかわからないですよね。
メディア上ではキラキラと活躍している人がいる。それを見ると触発されて「私もがんばらないと」と思います。
しかしその活躍している人とまったく同じ活動がしたいわけではない……。
自分のしたいことがわからないと、自分を変える努力への第一歩を踏みだせません。
忙しくてできない
仕事が忙しい人は現状の生活で体力を使い果たしてしまい、新しいことに挑戦する意欲を持てない。
疲れた自分を癒すために時間を使ってしまう。また使う理由もできる。
僕も昔はそんな傾向がありました。家にたどり着いたらすぐに晩酌をして、その日の活動は終わりです。
週末の夜は必ずと行っていいほど呑みに行ってストレスを発散しようとする。
そんな生活を繰り返していたら、変わる努力をするどころか、心が荒んでいくかもしれません。
プランを立てられない
憧れの人を目標にしても、自分が活躍できるまでの道筋はよくわかりません。
したほうがよいことが何か判明するまでは、なかなか行動に移せないでしょう。
本などでノウハウを集めてみるのですが、それをしたところですぐに効果はでない。
無計画に努力しようとすると、自分の成長が見えづらい。途中で不安が大きくなり、これまでの努力をあきらめる結果になるかもしれません。
無理をしすぎる
一方でキツキツな行動プランを立てると、負担が大きくなり気持ちがついていかない。
その分野で一流な人がしてきたトレーニングプランをそのまま採用しても、自力が足りないために心の体力が足りず止めたい気持ちが高まる。
多くの場合は「今日は忙しかったから」など、さまざまな言い訳を使ってサボる日が増え、行動自体がフェードアウトしていきます。
しかし根気強くがんばり続けた結果、疲れすぎて普段の生活に支障をきたしては問題になる。
そうなると周りに影響が出て、責められることが増えます。それが原因で心身のバランスを崩してしまい挫折してしまう。
自分に貼ったレッテルが邪魔をする
「変わりたい」とはぼんやりと思っている……しかし自分がやり遂げられるイメージがつかめないと、行動をためらってしまいます。
そんな人は自分にレッテルを貼っているのかもしれません。たとえば
- 根性がない
- 飽き性
- 能力が高い(けれど自信はない)
根性がない
今までに努力した経験が少なく、またどうせ諦めてしまうと感じてしまいます。
中途半端で根性のない自分が情けなく感じるので、あきらめることを恐れて行動に移せない。
飽き性
これまでの人生でいくつかの成功体験がある。そのため努力をすれば報われるとはわかっています。
しかし好奇心で得られる喜びより行動のつらさが上回ると楽しくない。それで早い段階で投げ出そうとするクセが身についてしまう。
飽き性にはいろいろな体験にチャレンジできるという良い一面もあります。しかし成果を得る前にやめてしまっては意味がありません。
能力が高い(けれど自信はない)
自分が優秀だと思う信念はあるのですが、根本的には自信がないため、新しいチャレンジが成功するか不安になる。
しかし周りの人には自分が劣っているとは思われたくないので、言い訳を用意しなくてはなりません。
そういった気苦労はストレスになる。そのため精神的にもろい傾向があり、ひとつのコミュニティに長らく居続けることが難しい。
これらのようなレッテルを自分に貼っていると、残念ながらその通りに行動してしまいます。
何かを始める努力をする前にレッテルを剥がなくてはならないので、他の人よりも行動を開始する負担が大きくなります。
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自分の苦しみを人のせいにしてしまう
本当は「自分が変わらないといけない」と思っている。しかし不満を感じたとき、誰かのせいにしてしまいます。
仕事でミスを責められたら「こんなルールがそもそもおかしい」とか、子どもが言うことを聞かなかったら「本当にだめな子ね」というように。
これらは反応的な感情です。自分が言いたいことではなく、脳が勝手に答えてしまうといったイメージに近い。
しかし人を責める気持ちに罪悪感があるので、行動を正当化するためにさらに周りを責めようとする。
それでは自分が成長するという行動を起こす気になれません。
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以上がおおまかな変われない原因として考えられます。自分を変える行動を始める前には、心配を解消する必要があるんですね。
そのためには何から始めればいいのでしょうか?
自分のペースを知り、自分にあった行動計画を立てることから始めましょう。
世の中には優れた人たちが、さまざまな自己成長の方法を編み出しています。
実績があったり科学的に証明されていたりする方法をまともに取り組めば、自分が満足できるほどの変化を起こしてくれる。
そんなノウハウを生かすためには、
自力をつけることが一番大切ですよ!
勇気を持って自分を変えるための基礎的な考え
あなたはすでに前を向いている
自分が変わろうと思う。それだけで豊かな人生に向かおうという意志を感じます。
人の成長というのはポジティブな方向性に進むという感覚で表せる。
たとえば某宗教なら神のいる高みへ進むことが人間のすべきこととされています。僕は人の成長を前に進むとよく形容します。
どちらにしても人は見ている方向にしか進めません。
前を向いていれば、いったん立ち止まっていてもよい。機が熟してから進み始めれば問題はない。
しかし後ろ側には多くの誘惑があります。
- 暴飲暴食
- ギャンブル・ゲーム依存
- 自己正当化のために他人を攻撃する
- タナトス(死への誘惑)
など数え切れませんが、これらはその場のフラストレーションを解消するために行われる「不安解消行動」です。
適度な飲酒や、節度を守ったゲームくらいなら問題はありませんが、これ以上は不安解消行動に飲み込まれないように自制する。
まずは前を向いていることを誇りましょう。
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坂の理論
目標を小刻みに達成する諸理論を、僕なりにわかりやすく定義し直したのが「坂の理論」です。
非科学的に目標設定を立てると、多くの人はひとつの目標を欲張ってしまう。
そうすると坂の勾配は急になり、自力が足りないと登れません。
なぜそんな欲張った目標をたてるのでしょうか?
変わりたい目標を優秀な人に重ねてしまう、もしくは自分の能力を高く見積もりすぎると、できて当たり前だと錯覚していまいます。
そんな高みから現状のできていない自分を見下ろすと、何もできない自分が情けなくなる。そのため不安に襲われてあきらめたくなる。
坂の理論に従った適切な目標設定は
- 勾配の角度を分析し、自分の能力にあった適切な距離に目標を据える
- 目標達成までの距離が長ければ、チェックポイントを設ける
- 自分の能力を公正に評価し、地に足をつけてがんばる意識を持つ
この傾斜の見極めこそが行動を継続する秘訣です。
繰り返すことにより自力が付き、いつかは激しい傾斜も意に介さず乗りこれられるでしょう。
坂の理論を生かすためには、2つのあきらめが必要になる。
- 自分は普通の人間であり、高みへ行くためには努力をしなければいけない
- 目標は一朝一夕ではかなわない。日々の努力が自分を育てる事を忘れない
つまり謙虚であれというわけです。一般的に努力を続けるのは苦しいと思われているので、この考え方は重苦しく感じるかもしれません。
しかし適切なプランニングをすれば努力の苦痛は減らせる、または苦痛よりも大きい喜びを手に入れられる。
恵まれている社会で過ごす人間は、つらいことばかりだと必ず立ち止まる。幸せだから前へ進み続けられます。
努力家は努力に喜びを見いだしているから、継続できるのです。
謙虚な人を嫌いなのは、卑屈がうざいと感じるだけ。真の謙虚さとは
「いや、いや、私、全然かわいくないから!」と謙遜する人を白けた目で見てしまう……そんな人、結構多いのではないでしょうか。 自信家は嫌われやすい社会なので、へりくだった態度を取ろうとする人が多いのは当然 ...
承認欲求への依存を軽減する
周りの人に認めらたいと思う承認欲求は満たされれば心地よいものです。承認欲求が気持ちよいから仲間を大切にしようと思える。
しかし承認欲求が満たされない、つまり否定されてしまうと反対に大きなストレスとなる。
ストレスを感じると辛くなるので、その不満を軽減するために以下のような適切でない行動をしてしまう。
- 認めてくれない人を攻撃する
- 認められないことに劣等さを感じ、自分を責める
- 周りの人を嫌いになる
という自分を変える目的と反対の行動で、不満の解消に取り組んでいるんですね。
承認欲求を捨てるというのはなかなか難しいことですが、ストレスを感じたときの行動を少しずつ変えることで、承認されない痛みを減らせます。
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これらを踏まえて、自分が変わるために何をすればよいのか検討します。
変わり続けるために、自分で道を切り開いていく。その方法にはコツがあります。
さあ、はじめの一歩を踏み出しましょう。
自分を変えるために勇気を持って踏み出すはじめの一歩
失敗を未然に予防する
新しい挑戦を始めるとき、自分の中にポジティブな意見・ネガティブな意見の両方が湧き出てきます。
- 無根拠な自信による見込みの甘さ
- レッテルによる行動への恐れ
などが適切な目標設定を妨げる。先ほどの「坂の理論」を思い出してもらいたい。
その偏った考えを適切かつ客観的に理解するために、考えを書き出す作業をします。
まず第一歩を踏み出すための不安を取り除きます。不安があると、いざ始めたとしても結果がわかるまで安心できません。
たとえば自堕落な生活を止めたいと思っているなら、その生活が止められない理由を書き出します。
- 例)自堕落な生活がやめられない理由
- 仕事が忙しいから自分を癒やさないといけない
- 運動をしたいけれど、ジムに通う時間がない
- 酒やお菓子などには心を癒す効果がある
とにかく思いつくだけ書き出す。多ければ多いほどよい。次はそれに対して反対意見を書く。
- 例)仕事が忙しいから自分を癒やさないといけない
- 自堕落な生活が体力をなくしてはいないだろうか?
- 仕事の余裕を生み出す努力から始めればいいのではないか?
- 癒やされたいという欲求に負けず、我慢してみたらどうか?
というふうに考えてみると、本当にできないことはないと理解できます。
自分を変える行動を始めてしばらく経過すると、努力がつらい時期に突入するかもしれない。
対策として、できないことの言い訳を前もって想定して反論を考えておく。そうすると困難にあったときの粘り強さが生まれます。
次は反対に自分の行動プランを立てる。
- 例)自堕落な生活を止めるためにすること
- 毎日ジョギングをする
- お酒とお菓子をなるべく止める
- 毎日なにか勉強をする
これもまた考えられるだけ書き出す。しかし全てをがんばればよいと思ってはいけません。
そのプランに対して反対意見を考えるのですが、坂の理論に従って自分の自力にあった方法に調整していきます。
- 例)毎日ジョギングをすることへの反論
- 具体的に距離を決めないとイメージが沸かない。
- ほとんどジョギングをしたことがないから短い距離から始めるべきだ。
- ジョギングには時間がかかるから、他の運動を検討してはどうか?
という感じで根拠のない自信による無謀な考えを検査していく。続けられると思えるプランに調整することが大切です。
これらのワークが苦手な人もいるでしょう。その場合は、
- 憧れの人ならどう考えるのか
と仮定してみます。誰かに聞くつもりで想像してみる。もちろん実際の友だちと相談しても良い。
自分も友だちの悩みには(無責任に)意見を言えますよね。
友だちへ無責任なことは言わないほうがよいかもしれません。しかし自分になら何でも言えます。そして傷つくこともない。
具体的な行動計画を決める
以上の作業は実際の行動プランが決まるまで何度も繰り返します。一日で考えずに日をまたいでもよい。
僕がおすすめする行動計画は、
- 確実にできる一つの行動に絞る
- 楽すぎず適度に苦しくなるほどの負荷に調整する
ことです。始めの1カ月は焦らずゆっくりと始めてください。
何より大切なのは成功体験を積むことです。1カ月やりきってから2カ月目のことを考えましょう。
詳しい方法は以下の記事にまとめているので、参考になると思います。
努力が続かない?努力する力が楽に付く30日チャレンジを攻略
したいことがある。願いもある。しかし自分を高める努力ができない。 「やるやる」と口ばかりで自分を裏切ってきた。最近は「やる」とすら言えなくなる。「自分には努力をする才能がない」そんなふうに思う……。 ...
肉体を磨く
たとえば起業を志して知的努力に励むような人も、根本的な体力や精神力を育むために、肉体の鍛錬はしたほうがよい。
かんたんな運動でかまいません。週に一度スポーツジムにいって1時間程度、汗を流すだけでも十分です。
僕は毎日10分のかんたんな筋トレをしています。とにかく継続して体に向き合い続けることが重要でしょう。
自分を変える行動は、肉体の鍛錬を習慣化することから始めるのが非常におすすめです。(食習慣の改善もおすすめ。健康が大事ってことです)
1カ月間つづけてトレーニングができれば、一つの成功体験になります。それに加え基本的な体力と精神力が付く。
なおかつ肉体の変化は早いので、1カ月のトレーニングでも体は引き締まります。
「自分は努力したら変われるんだ」という強い実感が湧き、今後がんばるための基礎になります。
革新的思考を取り入れる
革新的思考とは
今の状態をあるがままに受け取らず、ほかの優れた方法はないかと考えること
だと定義します。
この考えを持つことで、自分を成長させるイベントが格段に増えます。
- この仕事は毎日しなきゃいけないけれど、なくすためにはどうしたらいいのかな?
- いつも出社がぎりぎりになるな。余裕を持つための仕組みはなんだろうか?
- 部下がやる気を出さない。やる気を出させる行動パターンとは?
自分で改善・革新に向かって考えることを増やす。常日頃から自分を変えていく気持ちを育てます。
今まで都合の悪いことを何かのせいにしてきたのかもしれません。
しかし革新的な思考を持つことで、自分で変えられることに取り組む姿勢が保てます。
行動をすれば変化が起きる。そのことが無力感を消し、いきいきと活動できるエネルギーになる。
仕事が暇なときにやることは、ムダな作業をなくす革新で決まり!
閑散期……商売をしているとお客さんが少ない時期があります。しかし社員の人数は変わらないから暇ができる。 特に任されている仕事が少ないと、暇な時間にどうしたらいいのかわからないですよね。 できることがあ ...
おさらい
「自分が変わる」と思うことが、人生を楽しく過ごす条件です。
環境や他人に依存した幸福観を持っていると、幸せは欠乏し、人生は苦しみだと結論づけてしまう。
しかし主体的に行動できれば、不満を自分で解決しようとできる。
自分のしたいように生活をするには、意志の力という自力が必要です。意志の力は一朝一夕では付きません。
坂の理論を用いて徐々に自己コントロール感を強化していけば、やりたいように生きられる自力が付きます。
もし目標設定が難しければお手伝いしますね。