- ネットサーフィンやテレビのような、娯楽から抜け出せない
- 努力をしても苦しくなってあきらめてしまう
するべきことに集中できないのは、知的好奇心が足りないから。
努力に不可欠な知的好奇心ですが、
簡単に高める方法はあるのでしょうか?
学びの質を最適にすれば、知識を得ることが楽しくなる。
知的好奇心を高める7つのテクニックをご紹介します。
目次
知的好奇心を高めるべき理由
やる気を継続させる
知的好奇心は自発的にやる気を高める内発的動機づけの要因として挙げられます。
知りたいと自ら思えれば、報酬(高評価・褒め・賞与)や罰(低評価・叱り・昇進しない)という外部要素がなくても、がんばれる。
しかし現実的には多くの人が報酬や罰によって突き動かされる。それでも知的好奇心は後から内発的な動機づけを与えてくれます。
知的好奇心を持てる人が知識を習得していくと、もっと知りたい気持ちが意欲を支えるようになる。
動機づけの観点で知的好奇心は重要な要素ですが、動機づけられた後のやる気の継続にも有効です。
知性を活性化する
知性の活性化も知的好奇心の効果です。
さまざまなことに興味を持てば、自分の仕事で新しいアイデアを生み出す種になる。
問題を掘り下げていくと、根本的な原因が分かり、革新的な変化が起こせるかもしれない。
対人関係で知的好奇心を持てば、もっと相手を深く知ろうとできるのでコミュニケーションが深まる。
考えるのは面倒な行為ですが、知的好奇心があれば楽しくなります。
快感によって突き動かされる
報酬や罰がないのに知的好奇心はなぜ働くのでしょうか?
(言っていることが違うぞ、と思うかもしれませんが)実際は知的好奇心も報酬や罰によって発生しています。
どんな行動でも動機になり得るのは
- 快感を得るため(報酬の獲得)
- 苦痛を避けるため(罰の回避)
という2つだけです。他人がもたらす報酬や罰がなくても、快感を求めて知的好奇心は生まれる。そのきっかけは様々ありますが。
人は知ることそのものが気持ち良いのかもしれません。
知性は繁栄するための大きな武器になる。情報を得ることは生存競争に役立っていると考えられます。(持論ですが……)
また知性が高まり人間的に成長すると、社会的な立場で優位に立てる。つまり間接的に外的な報酬を得られます。
社会で成功することが気持ちが良いと学習できれば、知的好奇心は出現しやすくなるでしょう。
このように知的好奇心は快感を得る方法の1つだと考えられる。
快感を得る方法はたくさんありますが、その中でも知的好奇心は副作用の少ない健全な欲求だといえ、積極的に活用したい概念です。
二種類の知的好奇心。学びの種類が違う
刺激的なことをキャッチする「拡散型」
知的好奇心には2つのタイプがあります。そのうちの1つが「拡散型」の知的好奇心です。日々の生活で得た情報に刺激を感じやすくなる。
この性格が強いと多種多様な知見を得られます。多くのことを知っているので周りの人から博識だと思われやすい。
知りたいと思える拡散型の知的好奇心は、知識の正しさに執着しません。
「こういう考えもあるよね」と曖昧なものを受容して、知識を貯め込むことが目的になります。
似て非なるものに「自己正当化のための情報収集」があります。流動的なゴシップや社会問題に心を動かされ、その情報から目を離せなくなる傾向を持つ。
自分に都合の良い情報を積極的に取得し、それに反する考えを否定することで、自分の正当性を強固にする目的があります。
自分の知性を高めようとする拡散型の知的好奇心と違い、人をおとしめる目的がある。これは知的好奇心とはいえません。
一つのことを掘り下げる「収束型」
専門的に知見を深めようとする好奇心は「収束型」の知的好奇心と呼べるでしょう。
物事を多角的に検討し、真実を知ろうと検証する。専門家気質の好奇心です。
真実という一点に向かって収束するように考えるのですが、新しい発見が繰り返されるため、横に広がる動きも持ちます。
しかし一般的には考えを深めるほど、解明の難しい問題も出てくるので、好奇心が満たされにくくなる。
これら二つの知的好奇心型は、どちらか一方に特化しないほうがよい。バランス良く活用したほうが考察をする恩恵が効果的に得られます。
収束型のほうが専門的で高度な好奇心型のように思えますが、それだけでは考察が行き詰まりやすい。
拡散型の好奇心と組み合わせて考察する態度を持てば、問題解決の道筋が見えやくなると思います。
このように自分を成長させたいと思う人は
知的好奇心を持つ必要があります。
それでは知的好奇心を高めるにはどうしたらよいのでしょうか?
大人が知的好奇心を高め、強みを見いだす7つの方法
1.余裕を作る
忙しすぎる生活をしているなら、知的好奇心は生まれにくい。
作業に追われると心のエネルギーが失われていくので、簡単に気持ちよくなれる方法に依存してしまう。多くの息抜きは刺激が強すぎて副作用に苦しみます。
知ろうとする態度は心の余裕から生まれます。どんなに忙しくても主体的に自分の行動を決めることで考える余地ができる。
誰かに押し付けられた仕事や勉強を、されるがままにこなしているなら、一度状況を整理します。
知的好奇心を高める前に、ゆとりを持つための作戦を考えましょう。
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2.したいことを書き出す
自分が知りたいことを理解していると、知的好奇心は自然に高まります。
したいことを理解すれば知りたいことが整理できます。
具体的な目標があるなら、知りたいことはすぐに思いつくでしょう。
もし目標がないのなら、何がしたいのかできるだけ書き出してみてください(めざせ100個)。
やりたいことリストを作って定期的に振り返れば、それに反応して知的好奇心が刺激を見つけてくれます。
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3.適度な課題設定をする
情報が得られなかったら面白くないと感じ、知的好奇心が生まれにくくなる。
読み解くのが難しい本では知識を得るのが困難です。書店でいくつか立ち読みをして現状のレベルに合った本を選ぶとよいでしょう。
反対に簡単すぎるテキストを読むのもおすすめしません。「わかった」が得られないと気持ちよくないので、徒労感が募ります。
また新しいことに取り組む多くの人は、自分の成長が遅いことを知りません。「こんなにがんばったのにレベルが低い」と感じたら、やる気は失われる。
勉強をして苦しいけれど楽しいと思える適度な負荷にすれば、知的好奇心で得られる快感が最大になる。
学ぶことで気持ちよくなれるという成功体験を積めば、知的好奇心の出現頻度が多くなります。
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4.ときおり難しい課題に挑戦する
適切な負荷で学びを続けると自力が向上します。しかし専門的になるほど情報は少なくなり、難解な文献に頼らないといけなくなる。
さらなる成長のためにもタイミングを見計らってレベルの高い課題に挑戦しましょう。
難しい文献から気づきが得られれば大きな成功体験になる。その経験が専門家としての自力につながります。
もし気付きの喜びよりも困難による苦しみが大きければ、またレベルに合った学習方法に戻ればよい。
収束型の知的好奇心は深めるほどに専門性を要求されるので、あきらめずに再チャレンジします。
5.思考術を身につける
無意識で知的好奇心は湧き出ます。しかし注目する要素が少ないと発揮しにくい。
そのため多角的な思考を用いて、多くの要素を明らかにする必要があります。
多角的な思考術の基礎的な方法は2つ。
- 掘り下げて考える
- 反対から考える
掘り下げて考える
感じたことを深掘りして考える方法です。思いつくだけ何度も繰り返します。
たとえばお菓子作りに関心がある人が、露天販売のクレープを食べておいしいと感じたなら、
- おいしい→甘さが適切だ
- 甘さが適切だ→十分甘いのだが、くどくない
- くどくない→生クリームが軽い、いくらでも食べられそう
- 生クリームが軽い→脂肪分が少ない?
というふうに掘り下げてみる。
反対から考える
自分の意見に反対してみて、どんなことが思いつくのかを検討します。
たとえばクレープがおいしいという例なら、その意地悪な反論を考えてみる。
- フルーツの酸味が生きていない
- この値段なら相応だ
- お店の汚れが気になる
そのあと更に反論できそうなら繰り返します。
- クリームが売りだからフルーツは食感が生かせればよい
- できたてをすぐに食べられるから付加価値がある
- 累積された汚れはなかなか落ちない。毎日ちゃんと掃除はしているだろう
以上のように視点を意図的にずらしながら考えると、隠された要素が明らかになり2つの点に着目できます。
- なぜそう感じるのか調べてみよう
- もっと深ぼれる(反論できる)ネタを探そう
これらを書店やインターネットで調べてみる。または詳しい人に質問をするのもよい。
とりわけ自分に都合の良い考えは多角的に検討します。
掘り下げや反論をすると、都合の良い考えの矛盾が見えてきます。それが自分の考えを中庸に保ち、偏見を防げる。
信じて疑わない通念(一般的な考え)を改めて考察すると、自分の発想にはない面白いことがわかりますよ。
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6.五感を使って考える
これも思考を広げるコツです。論理的な考察は言語化して行うので、言語に適した視覚や聴覚で情報を得ようとします。
しかしそれ以外の感覚器官からも情報は得られている。五感で得た情報をムダにせず心でイメージしてみます。
また文字情報で得たことは、意味として受け取るだけでなく五感を活用して想像する。
たとえば雑誌に前述のおいしそうなクレープが紹介されていたら
- 頭の中でクレープを別の角度から見る、拡大する、友だちに持たせる
- 焼ける音や作業の音、おいしいという声を想像する
- 適度な甘さを味わってみる
- 皮の香りを吸い込む
- 持ったときの温もりや柔らかい感触・重さを感じる
というふうにイメージを膨らせる。
体を動かすとイメージがしやすいように思います。ウォーキングをしながら想像するなど工夫してみましょう。
7.向き・不向きを認める
ほとんどの物事に知的好奇心を持つことは可能ですが、人によって不得意があるのも事実です。
もし効率よく学べそうにないのなら、したいことを手放す選択をしてもよい。
経済的な観点で考えると、人それぞれが得意なことに取り組めば社会は合理的に発展します。
どんな方法でも真面目に取り組めば自分は成長する。
ただし苦手とわかっていても、どうしてもやり抜きたいと思えるのなら、あきらめずに取り組んでみてください。
気休めはいえませんが、もしかしたら努力することで得意になるかもしれません。得意になれなくても楽しめれば幸せな気持ちでいられます。
知的好奇心はあなたの成長を助けます。どんな道を選択しても充実した毎日を送れればよい。
おさらい
結果を求めるだけでは努力を続けられない。
知的好奇心(と、がんばりを認める心)があるからこそ、行動は継続できます。
表面的な情報を得ているだけでは、物事への興味が失われていく。
子どもの好奇心が高いのは、知らないことがわかる感覚が強く、それが気持ちよいからでしょう。
大人は多くのことを知っている(と思いこんでいます)。思考を深めたり、別の角度から見たりしないと知的好奇心は維持できません。
無計画に知りたいことへ向かっていっても、難しすぎることでは知識が得られず不快を感じる。
適切な方法で知識の習得に勤しむ。
知的好奇心はあなたをぐんぐん成長させる手助けになるでしょう。