意地悪な性格の改善

職場で言いたくないのに言ってしまう悪口で性格改善する7つの技

投稿日:2019-01-04 更新日:

職場で言いたくないのに言ってしまう悪口で性格改善する7つの技

仕事帰りに立ち寄ったいつものスターバックス。高揚したまなざしが飛び交う悪口ミーティングが今夜も開催された。

悪口は愚かだと最近感じている。書店に行けば自己啓発系の本に視線を落とす。しかし今日も誰かをおとしめてしまう……。

気持ちよいから悪口は止められません。そんな自分を変えたい。

どうすればいいのでしょうか?

悪口を生かせばいいんです。

「えっ言っている意味がわからない」と思うかもしれません。しかし問題に気付けているから悪口を言える。

自分に関心を持ち成長できる人。それをかなえる「悪口を生かす7つのステップ」をご紹介します。

なぜ言いたくない悪口を言ってしまうのか

引きずり落とすという基本原理

「悪口を言う」という行動の目的を一言でまとめると「不安の解消」です。相手を劣っていると決めつけ立場を低めようとする。

  • 口うるさい上司
  • 気に食わない同僚
  • 仕事ができない新人

さまざまな相手に対し、劣っていると決めつけたいのです。

相手の行動や言動が自分を不快にさせる。それが不安な気持ちを生み、小さなトラウマとなり心が痛む。

その不安を解消するために悪口を言う。

発言は制御できる行動ですが、不快な感情に流されてしまうのです。

悪口はバレたり、無意味だったり……不利益があることを知っているはずなのに。

なぜでしょうか?

単純に気持ちよいからです。

スイーツ・酒・ドラッグ・ギャンブル、ペットに癒やされる・愛する人との抱擁も、全て気持ちよさを予期するから、したくなる。

気持ちよさを得るために、周りの人を引きずり落とそうとするのが悪口です。

悪口というのは麻薬と同じように、苦しみと快感のギャップを経験させるので、依存性がある。

不安の解消をしたい

会社でのストレスのみならず、世間は心を不安にする情報であふれています。

  • 政治の不正
  • 隣国の動静
  • 芸能人の不倫
  • 若者の凶悪犯罪

こういった情報は心を揺さぶります。その不安を解消するために誰かを糾弾するようなネット記事を読み漁る。

仲間が多いと安心を感じます。ネット上でも現実世界でも、自分と同じ考えを持っている人の存在を認識したい。

悪口というのは不安を解消する行為ですよね。不安を感じたら誰かに打ち明けたいのは当然でしょう。

それが人を傷つけ、自分のことを棚に上げるような悪口だとしても、心が安らげないから言いたくなるのです。

なぜ人の行動を見て不安になるのでしょうか?

人は誰でも承認欲求を持つ。

  • 誰かに認められたい
  • 安心して過ごせる場所がほしい

という基本的な欲求です。承認欲求が欠乏したら不安を感じます。

承認欲求が脅かされる理由の多くは、劣等感が生まれるからでしょう。「人より劣っている」と不安になれば、悪口を言いたくなる。

ウソの有能さが得られる

不安を消すために、悪口を言うことで承認欲求を満たそうとします。

悪口は人の欠点を取り上げて批判する行為ですよね。しかし根拠のある批判だとしても、隠れて言うようなことではありません。

それでも正面切って意見を言わず陰口をたたく。自分が守られた場所で批判をすれば、相手が反論できないので安全なんです。

都合がよいように情報をコントロールすることで、相手の立場を下げられる(と思いこむ)。

人の立場を低めることで、相対的に自分の立場が高まった気分になれる。それが偽りの自尊心を生む。

しかし実績のない自尊心は実力が伴っていないので、周りの評価を当てにする。

人の目が気になることが、悪口をやめられない負のスパイラルを生み出します。

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足を引っ張り合う連帯意識

悪口は言う相手がいないと成り立ちません。会社では多くの場合、同僚が集まって言い合いますよね。

これは一種の共謀関係です。悪口を言って人をおとしめるという価値観を持つことが参加条件となる。

自分を高めるという価値観を嫌うので、悪口を言い合う関係にどっぷりつかっては自己成長を志せない

つまり仲間内なのにお互いが足を引っ張り合う。悪口を言い合う習慣がある人は、建設的な行動を起こせずにいます。

自分をよく思われたい願望は常々感じているのに、自分に向き合えない。

このように悪口というのはお菓子依存やギャンブル依存のように心を惑わす悪質な快楽です。適切に扱わないと、人格が狂ってしまう。

悪口をやめたいと思うには勇気が必要です。しかし勇気を持てばやめることはそれほど難しくはない。

どうしたら悪口をやめられるのでしょうか?

悪口を生かして自分の行動を変える。

実は悪口というのは、問題に気づく力を証明しています。

問題提起ができないと、人も社会も良くなりません。

気づく力を最大限に生かすため、行動を変える7つのステップを知りましょう。

言ってしまってもいい!悪口を生かす7つのステップ

1.どう思われたいのかを知る

承認欲求を満たそうするから悪口を言います。

というわけで自分がどう思われたいのかを分析し、人を低めずに自分の能力を高める行動を考えます。

まず思われたい理想の自分を書き出してみます。誰も見ていないので正直に書く。

  • 仕事が速くて正確
  • 指示がある前に取り組んでいる
  • 的確な意見が言える……etc

というように、できるだけ多く書き出します。それを眺めてみると自分の求める姿が見える。

次は理想と現実の差を明確にします。

仕事が速くて正確

比較的速くて正確だが、トップレベルではない

指示がある前に取り組んでいる

未知の問題には気づけない

的確な意見が言える

なかなか意見が言えないが、雰囲気がよいと的確に言える

このようにざっくりとした分析で十分です。誰にも見せなくていいですが正直に書きます。

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2.何に不安を感じているのか知る

続いてどんな悪口を言っているのか書き出す。1で能力の自己分析をしたのですが、ここでは心の自己分析をします。

  • 課長が口うるさい、細かい
  • 同僚のAが上司にヘコヘコしている
  • 新人が仕事を覚えない、あまりに能力が低い……etc

大まかなパターンがあると思います。登場人物にも偏りがある。

悪口を言う理由は不安を解消するためですよね。つまり書き出したことが自分の不安を生み出している

不安は主観的な感覚です。次はそれを客観的に眺めてみます。

課長が口うるさい、細かい

指摘されないと仕事の精度が低くなる。ただし神経質になりすぎているところも否めない。

同僚のAが上司にヘコヘコしている

実績がないのに気に入られようとしている。プレゼン能力が高く上司もお気に入りのようだ。

新人が仕事を覚えない、あまりに能力が低い

大きなトラブルは発生していない。小さなミスは多いがなんとかなっているようだ。

悪口と思っていたことでも一長一短があると理解できる。もし良い部分が思いつかなければ、少し無理をして見つけるくらいでよい。

最後にあらためて理想の自分と照らし合わせ、なぜ他人の行動に不安を感じるのか分析してみます。

課長が口うるさい、細かい

仕事ができると思われたいのに、否定されているようで不安になっている

同僚のAが上司にヘコヘコしている

実力が伴えば上司には気に入られる。職位は違うが対等に扱ってほしいと思っている。

新人が仕事を覚えない、あまりに能力が低い

新人ができないと思えば、自分の実力が脅かされることはないからだ。

このように不安を分析する習慣を持てば、また悪口を言ったとしても客観的に問題をとらえられます。

悪口を言うことが不快になるので、ますます悪口をやめようと思えるでしょう。

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3.現実的な成長目標を決める

自分自身を高められないので、他人に注目して悪口を言っています。主体的な行動をすれば、関心は自然に自分へ向いてくる。

そこで自分を高める計画を検討し、現実的な成長目標を決めます。

目標は欲張らない。必ず「これならできるかな」と思える範囲に収めます。少しきついと感じるくらいがベストです。

悪口を言う人は高い水準を求める傾向がある。しかし理想どおり自分を鍛えようとすると、無理がたたって挫折の原因になる。

どんなことに成長目標を置けばいいのでしょうか?

自分の能力を高めることなら何でもよい。仕事に関係することでも、一般教養を高めることでもよい。

  • 仕事に関する読書をする
  • 英会話を学ぶ
  • 体を鍛える
  • 美しい字を練習する

これから先の人生で学び続けるつもりで、新しい自分に変わる習慣を付けます。

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4.一度だけ悪口をやめてみる

いきなりピタッと悪口をやめられるのなら、それに越したことはありませんが、言いたい欲望を止めることは難しいかもしれません。

しかしいつもの集まりで一度だけ悪口をやめてみるのは、簡単にできると思います。

周りの人に話を振られたら「今日は特になにもないよ」とごまかして、聞き手に回ってみる

飛び交う悪口に耳を傾けて、あれこれ想像してみます。

  • 私も釣られて言いたい衝動が湧いてきたな
  • この人、眉間にシワを寄せて「自分は被害者だ」と強く主張しているな
  • 周りからこの会話を聞かれたら、どんな風に思われるんだろうか……etc

悪口を言っている現場を客観的な視点で見つめてみると、愚かさや同情する気持ちが明確に分かります。

そして衝動に流されず自分の理性に従って悪口を我慢できたのなら、いずれ完全に悪口を止めるときの自信になる

周りの人の悪口に対して意見はしなくてよい。じ〜っと聴いてあげます。

5.「悪口をやめる」と人に伝える

悪口という悪癖を止めるのは、タバコをやめる・酒をやめるのと根本的な差はありません。しかも薬物依存がないので比較的簡単です。

しかし自分の脳は「悪口が気持ちがよい」と学習をしているので、言いたい衝動にこの先なんども襲われるでしょう。

悪癖を止めるときは、精神的な支えがあると成功率がぐっと高まります。

信頼できる人にサポートをお願いできるのなら、ぜひ実施しましょう。

  • 家族
  • 親友
  • 同僚・上司
  • カウンセラーなどの専門家

「主体的に努力をする」人を選んで話します。

悪口は言わない(か控えめ)で常に「良くする」という建設的な考え方を持っている人がよい。

まずその人に自分の強さ・弱さを隠さず話すことで、意地を張っていた自分を手放す。それだけでも肩の荷が下りてリラックスできる。

悪口を止め、自分を高める努力をするという宣言をし、見守ってほしいとお願いをします。

ときどき相談に乗ってもらうことで、安心感と責任感が維持できる。

6.問題解決型の悪口を身につける

これまでの悪癖があるので、つい悪口を言ってしまうかもしれません。悪口の気持ちよさに流されるのは絶対に避けたい

もし言ってしまったとしても立て直せます。文句→分析→行動案というように考えを発展させる。

悪口の基本的な効果は人を低めて自分を相対的に高め、スッキリとした気分になりたいことですよね。

スッキリだけで終わらせずに「その問題を解決するのに、自分が何をできるのか」と考えられれば、意味のあるアイデアが生まれるかもしれない。

課長が口うるさい、細かい

一方的に課長が不満を言っているから、こちらからも質問して課長を巻き込み、問題解決の最短方法を検討しよう。

問題が未然に防げるように事前にチェックする項目をピックアップしてみよう。

同僚のAが上司にヘコヘコしている

Aには何かしらの考えがあるのだろう。話を聞いてみたら学べることもあるかもしれないな。

どんな人が気に入るのか、上司にインタビューしても面白い。

新人が仕事を覚えない、あまりに能力が低い……etc

新人が入るたびに「使えない」って話題になるけれど、そもそも育てるための環境は整っているのか?

私たちも同じように言われてきたんじゃないだろうか。新人を育てる基盤づくりを学んでみよう。

というように自分の行動プランを最終目標にする。問題提起から、建設的なアイデアを生み出す。

これが問題に気づく力という悪口唯一のメリットです。

まったく悪口を思いつけない人は「気づく力がない」と考えられる。問題に気づけないのは物事を改善する力がないに等しい。

悪口を言えるということは、問題解決に必要な素質を持っていることを証明しています。

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7.悪口仲間との接し方を検討する

それでは付き合いのある悪口ミーティング仲間とはどう接すればよいでしょうか?

悪口を言い合う集団にいる人は「自分を改善する」覚悟を持っていません。そのためお互いの足を引っ張ろうとしていますよね。

もちろんスパッと関係を断ち切っても良いですが、自分が陰口をたたかれる対象になる恐れから踏み出しにくく感じるでしょう。

「悪口なんて気にならない」と思えるようになるまでは、頻度を減らしながら付き合うという方法をとってみます。

しかし自分からムダな悪口を言うのは絶対に止める。

6で話した「問題解決型の悪口」まで話を飛躍させるか、聞き手に回って様子を観察することを徹底します。

もしかしたら自分の行動に共感して悪口ミーティングが自然消滅するかもしれない……まあ難しいでしょうが。

建設的な考え方を持っていれば、自然に主体的な人が自分の周りに集まってきます

その人たちとの交流が盛んになれば、悪口仲間との縁も自然に切れるでしょう。

おそらく悪口を言われる側になるが、自分の成長に関心が向いていれば、周りの妬みは雑音にしかなりません。

むしろ妬まれずに生き生きと輝ける人なんていないのですから、悪口を言ってくれてありがとうと皮肉を言ってあげましょう。

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おさらい

注意深く悪口を聴いてみると「不安だ、なんとかしてほしい」という懇願のようにも聞こえます。

自分自身を成長させられない人たちは、悪口を言って心を慰めるしかない。

しかしそれでは幸せを自力でつかみ取れない

悪口は「問題に気づける」というポジティブな一面を持っています。気づきをムダに垂れ流さず、建設的なアイデアにつなげましょう。

そのためには

自分の価値観を変える勇気が必要です。

勇気さえ持てれば、後は習慣を変えるだけ。比較的簡単に悪口はやめられる。

悪口は言われる側になってなんぼですよ!

  • この記事を書いた人

やくしじ

産業カウンセラー。個人向けの心理カウンセリングと、少年院のキャリアカウンセリングをしています。すべての行動には目的がある。熱意・不安・焦り・イライラなどの制御できない溢れ出す思いを全人的に受容し、自己理解を支援する。単発的な傾聴のニーズや、継続カウンセリングを通しての自己変容や目標達成を支援します。ご依頼はお問い合わせへご連絡ください。詳しいプロフィールはこちら

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