価値観が違うといって関係を諦めるのか?
考え方を否定されると悲しい気持ちになる。大事な人と価値観が違うとなおさらでしょう。
しかし関係は続いていく。いつまでも自分を押し殺していては不満が爆発するかもしれない。
大事なのは
自立をすることです。
人には多くの選択肢がある。
相手を受け入れる・突き放す、または協力する。すべては自立に答えがあります。
目次
価値観が合わないならどうする?カップルも自立ありきの関係
価値観は決定を短縮するためにある


というふうに価値観を優先した発言は物事を一方的な決め方で判断します。
ある映画について面白い・面白くないという態度は人それぞれ違う。
それでも自分の価値観で態度を決めつけてしまうのなぜでしょうか?
価値観とは態度を決める基準です。基準があれば考えずに楽して自分の意見が言えます。
上の会話の例では「面白くない」という態度を発言で示している。発言とは行動の1つだと解釈します。
価値観を持っていれば問題を熟考しなくても、反射的に行動の手段が選べます。それが行き過ぎると「偏見」になる。
偏見的な物事の見方になってしまうと、気づかないうちに人を傷つけてしまいます。
偏見の恐ろしさ
価値観でのマウンティング
相手の価値観を受容しない態度は2つの方向性が考えられます。
- 否定への反応
- 優位に立ちたい欲望
否定への反応
相手の発言が自分の考えと違うとき、過ちを指摘された気分になる。
自分が間違っていると感じれば自尊心が傷つく。それに対して防衛的に反応し持論を展開してしまう。
優位に立ちたい欲望
相手の発言を検討せず、浅はかだと決めつけることで自分の優秀さを示したくなります。
持論を展開することにより相手をおとしめれば、相対的に自分が優位に立った錯覚がして快感を覚えます。
以上2つどちらにしても、自分の価値観に固執した持論を主張するのは、相手より優位に立ちたい意向を持っている可能性がある。
相手次第で自尊心を満足させようとするのは、他人に依存している行動だと考えられます。
自分が見えないと苦しい
否定への恐れ
相手の発言を受け入れたのはいいけれど納得できず不快に感じてしまうのは、自分が認められていない苦しみかもしれません。
嫌なことを言われて傷つくのは当たり前です。しかしそれに対して我慢したり反発したりするとつらくなる。
認められずに苦しくなる感情を捨てられませんが、考え方次第で苦しさは軽減できます。
否定されても前向きでいられるにはどうしたらよいのでしょうか?
それは
自立することです。
他人に依存している状態では良好な人間関係を保てません。
主体性を持った考え方は自立が基盤になる。
別れる覚悟を持つ
価値観の違いに苦しむのは、相手を自分の重要な人物だと位置づけているからです。
妻・夫・パートナー・親・子ども・兄弟・親友・師弟・上司・同僚・部下……など、切り離せない関係でしょう。
もしその人達との関係がなくなったとしても、自分の人生は続きます。
新しい出会いは必ず訪れる。今の大事な人が自分の人間関係の全てでは無いと理解する。
依存して離れられないのは、相手にとっても重荷となっています。
乾いた鉢植えが水を欲しがるように、依存は認められたくてやまない苦しみを抱えます。
自分で自分を認める力が自立の基盤になります。
人に頼っていては認めてくれない相手を憎む気持ちが生まれます。
もし経済的な理由で離れられないのなら、別れる覚悟を持つのが難しいかもしれない。
しかし福祉が充実した日本に暮らしている以上なんとか暮らしていけます。困っても相談できる場所が用意されている。
相対的な貧困に惑わされない。今の生活より質素になっても十分な暮らしができるはずです。
もしそれでもムリなら生活保護を活用しながら経済的自立に向けて努力をする。
自立というのは前に向かう力がないと成り得ません。
絶対に特定の誰かと別れても変わらず生きていくという覚悟を持ちます。
子どもなどの明らかな社会的弱者と別れるのは「捨てる」ということです。
どんなにつらい関係でも成人年齢に達するまでは保護義務がある。捨ててはいけません。
自立が相手を受け入れる基盤になる
相手との価値観が違っても分かり合いたいですよね。理想かもしれませんが。
自分から価値観を否定しないのなら、相手に否定を止めてもらいたい。
ではどうしたら否定を止めてもらえるのでしょうか?
それは見返りを求めない愛を与えればよい。
しかし見返りを求めない愛ってなんだかうさんくさいですよね。
人は利益がないと行動をしません。たとえ利益が無いように見えても消極的な利益が隠れている。安全のため・立場を守る……など。
利益がある以上、無償の愛とはとても難しく感じます。
誤解しがちですが、愛というのは行為ではありません。感覚に近いものです。
愛は人の手を離れて初めて行為に変わり利得が絡んできます。
この理論でいうと他人から愛は手渡されません。利得しか得られない。
ただし自分の中にある愛する気持ちが「愛そのもの」です。
相手から愛されたと思う気持ちが、相手を愛する気持ちに変わり、自分から生まれた愛を感じる。
同様に相手を愛そうとする気持ちを持てば、自分から生まれた愛を自分で感じられます。
なかなか難しいことを言っていますが、要するに「愛そうと思う態度がなければ、愛は感じられないよ。」ということです。
自分から相手を理解しようと思う気持ちが主体性を持った人間関係につながります。
相手を受け入れる気持ちを解説
価値観を生かすためにカップルで協働する
協働とは
協働(きょうどう)とは、複数の主体が、何らかの目標を共有し、ともに力を合わせて活動することをいう。
協働はパートナーシップに必要な考え方です。これが無いとお互いに自分勝手な主張をして関係が壊れていきます。
価値観の相違は何かを決めるときに明らかになる場合が多い。つまり目的があるから意見が食い違う。
相手と協働をする態度を持てば最適な手段で目的を達成できます。
協働は相手を認める気持ちがなければ成り立ちません。ただし認めるだけでは自分が認められないつらさを感じるかもしれない。
だから愛情を持つという考えが重要になる。
相手を認めることが愛情の表現と考える。それが自分自身の愛情を確かめる方法です。
目的は多様な達成手段がある
1つの意見は、1つの行動案に過ぎません。価値観が違う2人で話しているのなら、2つの案があるはず。
しかしその行動における目的を見失っては、意見が食い違ってしまいます。
例)行動:結婚式のお色直しについて
女性:式でウエディングドレスを着て、披露宴では赤いドレスで……和装もしたいな
男性:金がもったいないだろ、ウェディングドレスだけでいいじゃないか。
以上を価値観に分解すると、
- 女性の価値観:お色直しをしたい。結婚式ってそういうものだし。女性にはその権利がある
- 男性の価値観:服を着替えるだけで10万円もかかるなどありえない。それはわがままだ
と言う構図が見えます。
ここで問題なのは
- 女性:お色直しをしなきゃ
- 男性:金をかけすぎるのは損をする
と違う要素に注目していることです。それでは価値観の違いで論争が起きます。
「お色直しをする・しない」「お金をかける・かけない」は一つの要素に過ぎません。
目先の要素に囚われず二人に共通する目的を探す必要があります。つまりなぜ結婚式をするのかということを明らかにする。
この場合いくつか考えられる目的がある。以下に例を出します。
- 2人の大切な思い出にして、いつの日か振り返りたい
- 結婚式は儀式なので終わらせることが先決だ
- 家族や親戚に感謝を述べる場にしたい……など
共通の目的が分かれば、それに対して協働で対策を検討できる。
パートナーシップはお互いに共通の目的があることを忘れない。
目的に基づいて手段を考える
共通の目的が明確になったら考えられる手段を明らかにしていきます。
例えば結婚式を
- 「二人の大切な思い出にして、いつか振り返りたい」
という目的があるとする。その1つの段階としてお色直しを検討します。
女性:お色直しは何度かしたいな。衣装をたくさん着られたら楽しいだろうし、写真で振り返るときも変化があっていいじゃない。
男性:確かにな。でも予算が200万円だからこれ以上は出せないよ。200万円でも結構がんばったんだぜ。
女性:そっか〜、だけど思い出に……1回だったらなんとかなるかな?
男性:担当の人に聞いてみようよ。でも1回でいいの?
女性:しかたないかな。できれば2回はしたいけど……。
男性:じゃあ他の部分が削れるか調整してみようか。条件は予算に収めるってことでいいかな?
このように検討していけば隠された要素が明らかになってくる。
- お色直しをする意味
- 予算
- 回数
- 他の要素を削れるか……など
これらの要素がわかると、2人にとって最適な案が検討しやすくなる。
つまり価値観を通して自分たちの考えを協働というテーブルに並べていきます。
Yes.No.ではなく最適案を選ぶ
問題解決に必要な要素が分かってきたら、実際の行動案を協働で決めます。
現時点は価値観から思いついた案を出し合っただけなので、十分な検討がされていない。
ここで重要なのは、アイデアを深掘りする意識を持つことです。
例えば
- ウェディングドレスのスタイリングを変えたら違うドレスのように見えるんだって、これなら見た目が変わっていい感じだよ。追加料金もかからないし。
- お色直しのこと親に相談したら「お金出してあげるから是非しなさい」って言ってくれたよ。
というように1つの要素が解決されれば全体的な問題も解決する場合がある。この場合はお金が根本的な問題だったようです。
もちろんこの対策を受けて別の問題が生まれるかもしれません。例えば
- 同じドレスだからあまり変化はしないよね。
- 僕らの結婚式なのにお金を出してもらうなんて、ご両親に対して申し訳ない気持ちを感じる。
など新たな問題がでてきましたが、これも一つの要素です。それでも諦めずに問題も検討すればよい。
検討は一度で終わりません。何度も繰り返す必要があります。
主眼は目的を果たすこと。協働で問題に取り組めていれば、お互いに不満をぶつけ合うこともない。
仕事では協働できているかもしれない
全体で高い価値を目指す
目的を達成すればお互いの利益になる。
利益は個人に還元されます。しかし相手に比べて損をしたと嘆くのは、正しい協働の形ではない。
協働の利益とは2つの要素で評価します。
- 全体で利益を得る
- お互いが損をしない
全体で利益を得る
お互いが損をするようではその行動はしないほうがよい。
行動をすることで前向きな結果をもたらすことが条件です。
お互いが損をしない
一方が得をして一方が損をするような結果は、協働の利益としては失敗です。
お互いの利益を確保する。いわゆるWin-Winの関係を目指します。
しかし場合によってはバランスの悪い利益配分でも認める。5:5にこだわらず、9:1でもプラスになったら良いと考える。
例えばお色直しの例なら
男性:お色直しにあと20万か……次のボーナスを使えばなんとかなるが節約しなきゃな。でもその方が親も喜ぶし僕も妻の姿が楽しみだ!
というように利益を感じられるなら一方が妥協したような形でも協働は成立しています。
おさらい
無償の愛を持って相手を受け入れる。それはとても難しいと思います。
認められない気持ちは苦しいでしょう。しかし愛そうと思うだけで脳は気持ちよさを感じます。
- 他人に頼らずに自分を満たす行為が無償の愛
行動は反応を起こします。不満なときも「愛そう」と思う行動を忘れないでください。
価値観の違いは問題に取り組むときの選択肢を広げます。
同じような考えを持った人同士なら単純な選択肢で満足できますが、違う人同士なら意外な面白い考えが生まれる。
対立した価値観は歩み寄ることで相乗効果を起こせます。
- 目的を明確にする
- お互いの考えを出す
- 最善策がわかるまで何度も話し合う
こうすることでお互いの理解が深まり、今までよりも満足できる関係が築けますよ。