「将来の夢をかなえたい」と子どもたちは願う。
しかし、計画の立て方がわからないので、努力の方向を間違ってしまう。かといって人にやらされたことではやる気なんか起きない。
子ども自身で目標設定し、計画的に行動する。すると、やる気が長続きし能力が伸びる。そんな理想を実現する方法とは?
それは「短期目標を引き出す、親の対話テクニック」だ。これは子どもの自主性と継続力を支える。
自分で考え行動し、夢に向かって輝き続ける子ども。そんな幸せな未来を想像すると、親としてできることをする。
この記事は、将来の夢を持つ子どもの保護者におすすめの記事です。
また、夢を実現させたい大人の自己管理手段としても使えます。
目次
短期目標が努力していることになる
「短期目標」とは、長い「将来の夢」に向かう道のりを、短期の目標で区切ること。着実なステップアップを確かめるために実施する。
短期目標は手に入れたい「成果」を目指す。しかし、これは夢をかなえる途中の単なる「過程」だということも忘れない。
短期目標の前提として、長期目標がある。それは「将来の夢」のことだ。→子どもが将来の夢を叶えるために、親子で行う正しい目標設定
将来の夢はとても大きな目標だ。数々の課題にチャレンジし続けなければ、それをかなえることはかなわないだろう。チャレンジし続けるには、数々の課題を明確にする必要がある。
短期目標は小さな課題設定にチャレンジし続け、最終的に大きな目標をかなえる手段だ。
短期目標は、夢に向かって進む意欲を保ち続ける効果がある。成果(勝ち負け)よりも能力を重視する評価規準をもうけ、自分を励まし続けられる仕組みを持っているからだ。
短期目標は4つの要素から成り立つ。
- 情報収集
- 短期目標の設定
- トレーニングプランの実行
- 評価、改善点の抽出
4まで終了したら、また1に戻るサイクルで成り立っている。次の章から具体的な内容を解説する。
情報収集で将来の夢に近づけ
短期目標を設定するために、「情報」は非常に大切だ。情報がなければ何も決められない。高い壁を目の前にただ呆然と立ち尽くすしかできないだろう。
将来の夢に関連する知識をいろいろと調べて行けば、選択肢の幅が広がり正しく目標を設定できる。
ただし、情報を調べる前に2つの観点を押さえておく。
- やりたいことのメリットを探す
- やる気がでないことの動機付け
やりたいことのメリットを探す
書籍・インターネットや人のアドバイスで、夢の実現に役立ちそうな情報を集めていく。その情報をあこがれだけで眺めていては、自分を突き動かす動機にはならない。
例えば、海外留学をするビジョンを持つ子どもがいたとしよう。その子どもがTOEIC(英語の能力を測定するテスト)で高い点を取りたいなと思ったとする。
ここで大事なのは、TOEICを受験するメリットを明らかにすることだ。
まず、「みんな受験しているから」「先生がおすすめしたから」などの理由は論外だ。人に影響されて始めるのは、やらされているのと大差はない。
次に「TOEICで〇〇点取れば、海外に行っても大丈夫だって」というような理由は、根拠が浅すぎる。勉強を続けるたび、根拠の不確かさは不安となってつきまとう。
ここで大事な「〜する理由」とは「それで得られる[価値]は、どのように自分の役に立つのか」ということ。そのためには深く自分の考えを掘り下げる必要がある。
例えば、
「海外留学をする人は、TOEICで〇〇点くらいを目指して学習するようだ。TOEICの〇〇点は海外生活で必要なリーディング力とヒアリング力が最低限要求されるらしい。
私は会話を中心に学びたいけれど、リーディングとヒアリングもこれくらいは目指したほうが良さそうだ。そうすれば、海外で困ったことがあっても対応できそうだし、相乗効果で会話も伸びそうだしね。やる意味ありそうだ。」
といったところまで深掘りすれば、TOEICの受験は自分のためになることが客観的に理解できる。
「やりたいこと」を「自分のためにやりたいこと」に変換できれば、やる気が長く続く。
やる気が出ないことの動機付け
逆に、自分のためになりそうだけれど、いまいちやる気が出ない事がある。
英語を話したい子どもが「会話教室に行くのが嫌だ」と思っているとしよう。もちろんいやいや取り組むと、苦痛を感じてしまう。
その場合もまず、英会話教室に行く価値を深掘りする。
「海外で外国人と英語で話したいのなら、英会話教室での経験が生きてくる。ネイティブの先生は発音が上手だから私の発音の参考にできる。この教室でスムーズに会話ができるようになれば、海外でも少しは話せるはずだ。」
その価値を踏まえた上で、嫌な理由を深掘りして考えてみる。
「英会話教室に行くのは嫌だ。理由は恥ずかしいから。実際に英語で会話しようとしてもフレーズが出てこない。緊張して頭が真っ白になる。そのため自分が情けなく感じる。他の生徒にも馬鹿にされるかもしれない。そうしたら傷ついて英語が嫌いになりそうだ。」
嫌な理由の深掘りで注意するのは、「恥ずかしいと思っている自分は、英語を話すことなんかできないだめな子だ」のように無根拠な理由を付けて落ち込まないようにする。
「恥ずかしい」と思っているのはただの心理状態(個性ですらない)。それは、自己否定をする根拠にはならない。
まずはその「恥ずかしい」にどんな対処ができるかを考える。どうしても対処が難しければ、「恥ずかしくてもできること」を探せばいい。立ち止まるよりも遥かに建設的だ。
一度掘り下げると、それを回避するための対象方法が見えてくる。
「初心者向けのコースだったらフレーズが出てこないのは私だけじゃないはず」とか、「コーチとマンツーマンで話せるところだったら、思いつくまで待ってくれそう。他の生徒もいないしだれにも馬鹿にされない」
以上をふまえ、また価値を探っていくと
「マンツーマンの英語教室なら、海外で会話できる自信が付きそうだ。コーチと二人だから恥ずかしいのはなんとかなりそうだし、何よりも本格的な発音が聞けるし。」
と考えを変えられる。
そこまで考えてもまだやりたくない気持ちのほうが勝っているなら、まだ英会話教室には行かなくても良い。
ただし、他の代替案がなければ、いつかはチャレンジをすることになる。なので今後は、どうしたらチャレンジできるかを念頭に置いて情報収集をすればよい。
とりあえずやってみよう精神
「とりあえずやってみよう」というのは、「行動こそが物事を前に進める。考える前に即時行動しろ」という信念だ。
いつまでも調べ続け「やりたい理由」を探すのは、自分が損をするかもしれないという「ケチ心」が邪魔をしている状態。成功する確証を求めていたら、いつまでたっても行動は起こせない。
しかし、成功するかわからないけれど「やりたい理由」を見つけチャレンジ精神を高めるこの方法では「とりあえずやってみよう」精神が十分に発揮される。チャレンジを「自分ごと」にするのが重要だ。
とりあえずやってみように似た言葉で「思いついたら即行動」というのがある。「思いついて、自分ごとにしたら、即行動」というのが、短期目標設定で大事な考え方だ。
将来の夢の短期目標の設定
やりたいことが決まったら現状に合わせた短期目標を決める。短期目標の要素は2つ。
- 仮説を立て、短期目標を決める
- 短期目標を細かく分け、実行プランを決める
仮説を立て、短期目標を決める
まず、やりたいことの難しさを検討し、どの程度のトレーニング期間とトレーニング内容が必要なのか、仮説を立てる。(トレーニングは練習や勉強などの努力項目を指す)
やりたいことは一つだけとは限らない。複数ある場合は、目標達成の可能性がある、現時点で一番効果が高いものを選ぶ。
仮説は「〇〇を達成するには、□□のトレーニングを、△△の期間行なったら短期目標が達成できる」と、こういうふうに立てていく。
練習の種類は複数あってよいが、その場合は内容に合わせた期間を個別に定める。
仮説で検討した結果、やりたいことが現実的で、実行できそうなら、それを短期目標に設定する。
仮説の設定で注意したいことは、楽すぎず・辛すぎない、ちょうどいいトレーニング内容を考えることだ。
例えば、自由に使える時間が5時間あるのに、2時間のトレーニング時間は短い気がする。または、そもそも1時間しか連続してできないことを2時間もすると体に無理が生じて逆効果だ。
自分の実力や体力・環境に合わせて現実的な仮説を設定したい。イメージしては実力の120%の難易度を、体力の90%を使うイメージで(倒れはしないが充実感で満ちあふれるくらいの)プランを組めばいい。
仮説は子どもが中心となって考える。ここを間違えて親が決めてしまうと「やらされ感」が出てくる。
子どもの考えにおかしいところがあったと感じても指摘しない部分があっても良い。子供の自主性を重視する方針を持つのが重要だ。
短期目標を細かく分け、実行プランを決める
もし、短期目標の難易度が高い場合は、更に目標を数段階に分ける。
先程のTOEICで例えてみる。
「多分私の実力はTOEIC500点に相当する。600点を取るには、テキストAを100時間、リスニング教材Bを100時間、模擬テストを50時間すれば合格するだろう」
と仮説ができる。
以上の例だと、正しく勉強を合計250時間すれば、600点の目標は達成できる。そして一日単位の勉強可能時間を検討し、250時間をこなす勉強スケジュールを立てる。
例えば一日2時間勉強ができるとすれば、2時間×30日で、月間60時間必要だとわかる。合計250時間÷月間60時間で、TOEICに合格するには4ヶ月10日の日数が必要だとわかった。
その勉強法の効果が薄かったとき、4ヶ月以上の期間も続けるのはもったいない。そこで短期目標の効果を上げるために、目標を更に短い期間に分けた「チェックポイント目標」を作る。
例えば1か月でチェックポイントを置くとする。この例だと1カ月目は525点、2カ月目は550点・・・と「チェックポイント目標」が設定できる。得点は月末に模試をして評価すればよい。
客観的に図れる目標を決める
TOEICの得点のように目標は具体的に図れた方が良い。しかし、具体的に測れない目標はどうすれば良いのか。
単純に目標を分割できない場合でも、客観的な評価ができるように工夫をする。
例えば料理の腕を磨いているのなら、チェックポイント毎に同じメニューを食べてもらう。そしてその人から客観的に評価をしてもらう。親が評価の手伝いをしても良い。
評価者がその分野の専門家でなければ、他者の評価と自分自身の評価を織り交ぜて、総合的な評価をする。
協力者が見つからない場合は、自分自身で評価するしかない。その場合でもビデオに撮るなど、できるだけ客観的に評価できるような工夫をする。
客観的な評価ができれば改善点が見えてくる。次の行動を修正し、効率化を狙う。
トレーニングプランの実行
短期目標を達成するため、継続的に実施する行動がトレーニングプランだ。例えばTOIECの例なら「毎日テキストAを2時間勉強する」行動を日々継続していく。
この時に大切にしたいのは、励ましだ。
継続を励ます
長い間、努力を続けるのは大人でも辛いことだ。
基本的に人はわかりやすい快楽を好む。成功するかわからない目標は、喜びにつながる実感が確かめにくく、継続の意欲を奪い続ける。そしていずれあきらめて計画を放棄する。
しかし、日々の継続を自分自身で励ます習慣があれば、毎日意欲を補充できる。
これは、子どもにとって難しい習慣だ。そのため、親は対話をして継続を褒め続ける。そうすると、子供はその価値観を学習し、自分で自分を褒める習慣ができる。
そして、継続を励ますのは気休めではない。合理的な理由がある。
そもそも、このトレーニングプランは「仮説」により決められている。毎日きちんと取り組むだけで、結果が出ると仮説で予測しているのだ。
だから、安心して日々の努力を継続していけばいい。
また、トレーニング期間中はゲームなどのわかりやすい快楽に気を取られるかもしれない。この原因は子供の中で「努力」で得られる快感より「ゲーム」で得られる快感が勝っているに過ぎない。
その場合は、トレーニングが終わったあとにゲームをする時間を設けても良い。そして時間内にゲームを終わらせたら徹底的に褒めることだ。
要は、努力をしたら気持ち良いということを学習させれば良い。
継続を喜ばせる仕組みづくり
継続で意欲を補充するには、親の励ましだけでなく、自分自身で喜びを感じられるようにしたい。
そのために自分の気持ちで褒めるだけでなく、何かに褒められる仕組みを作っていく。それがスタンプカード法だ。
スタンプカード法は、お店のスタンプカードをそのまま意欲づけに導入したものだ。その日の課題を終わらせたらスタンプを押す。それを毎日繰り返し、継続の証拠とする。
スタンプカードのゴールは短期目標そのもの。例えばTOEIC600点ということだ。
もちろんスタンプが全て埋まったからといって、目標は確実に達成されるわけではない。しかし、仮説に基づくと目標は達成されるはず。スタンプカードによって正しいことをしている感覚が得られる。
完璧にしたいと思う欲求が刺激され、スタンプを埋めたいために日々の課題に取り組む効果もある。しかし、一度スタンプが欠けるとやる気を失うので、ある程度の融通はきかせる必要がある。
例えば、日数じゃなく勉強時間でスタンプを押す。そうすると一度逃しても後から挽回できる。短期目標に合わせて色々試すと良い。
はじめは親がスタンプを押してあげる。子供との対話のきっかけになるし、人から褒められなお嬉しい。そして子どもが自分を褒める習慣ができてから、自分でスタンプを押す楽しみにつなげる。
継続ができなくても責めない
せっかく決めたトレーニングプランをやり遂げられない場合、親はついつい怒ってしまいがちだ。しかし、これだと自主性が失われるので、怒らないようにしたほうが良い。
仮に怒られて一時的に取り組んだとしても「親に怒られるからがんばる」というように学習をしてしまう。そうすると、人が関わっていないと努力をしなくなる。
継続ができない時の対話は4つのステップで行う。
- 継続を阻害する要因の分析
- 続かない理由の質問
- 将来の夢の再確認
- トレーニングプランの調整
a.継続を阻害する要因の分析
子どもの継続力が失われているとき、まず親が一人で考え、継続力を阻害している原因を検討してみる。
仮説が悪くてやる気がでないのかもしれないし、ゲームをしたくてたまらないかもしれない。この検討はすぐには伝えない。
その後、トレーニングプラン自体に不満があるかどうか子ども自身に質問していく。
- この課題の難易度が難しすぎないか?(簡単すぎないか?)
- スケジュールはきつすぎないか?
- やる意味を感じているか?
- 面白くないと感じていないか?
というふうに、継続ができない理由をいくつか羅列し、客観的に考える材料にする。その問題が深刻なら、プラン内容の見直しも検討する。
b.続かない理由の質問
次に、これまでの情報をもとに、なぜ続かないのか子ども自身に考えてもらう。どうしてもこのゲームをクリアしたいと言うかもしれないし、やりたいけどなぜか取り組めないと言うかもしれない。
トレーニングが続いてない状態の子どもは、短期目標から目をそらしている可能性がある。自分自身で続かない理由を考えることで、短期目標に焦点を当て直す。
c.将来の夢の再確認
将来の夢のためにどんな能力を得たいのか考える。自分が活躍して、誰かのためになっているところを想像し、喜びを感じてもらう。
親は説得をしない。子ども自身で発言させたほうが効果的だ。利益を感じられると希望を取り戻せる。
d.トレーニングプランの調整
これらを踏まえ、意欲を取り戻し継続力を復活させるのだが、もちろんトレーニングプランを微調整しても良い。多用すると悪い癖がつくがトレーニングプランを楽にしても良い。
以上、まずは怒らずに対話による解決を目指す。自分のためにがんばっていることを自分の頭で考えて思い出せば成功だ。要は、やらないよりもやったほうが得だと思わせるのである。
子供との対話で注意すること
質問や対話で注意することは3つ。
- 気持ちを重視する
- 考えを言い合える環境
- 子どもが中心になって話す
気持ちを重視する
何かをする・しないの判断は気持ちでしている。自分なりの正しい行動をとっているつもりでも、行動の判断の決定基準は気持ちだ。
判断して選んだ行動が成長を阻害するようなものなら、眼の前の欲望や不安などの気持ちが邪魔をしていると考えられる。
トレーニング以外にやらなければならない(学校の活動など)があるのなら、「何を優先したいのか」子どもの気持ちを聞く。親はそれにアドバイスをすれば良い。
子どもが言い訳ばかりするのなら、言い訳をする気持ちに着目して、それを吐き出させる。
状況や事実を聞いても不満は解消されない。気持ちを話せれば子どもは安心する。
考えを言い合える環境を作る
次に、「私はこう思う」というように、自分の考えを正しく伝えられる環境を作ることだ。自分の考えと気持ちを表すためには、お互い攻撃をしない関係が必要だ。
決して「それが当然だろ?」とか「って言われているよ?」と劣等感を感じさせ何も言い返せなくなるような言葉は使ってはいけない。要は上下関係を付けてはいけない。
子どもが中心となって話す
対話は聞くより話すほうが気持ち良い。表現には気持ちの変化が生じる。話して鬱憤を解消すると快感が伴う。子どもの話を遮らず聞き、親の発言はなるべく短くする。
努力しているのは子ども、辛いのも子どもだ。子どもの不満を解消する手段を対話によってもたらしていく。
評価・改善案の抽出
短期目標とチェックポイントの期限日では行動の評価を行い、そこから情報を引き出す必要がある。
評価するのは能力だ。間接的に具体的な成果も評価していくが、あくまで焦点は能力に置く。成果の評価はその場限りだが、能力の評価は累積する。
能力の評価・改善と言っても、自信喪失の原因にならない。良い・悪いに係わらず改善できるポイントを探していくからだ。
こういった行動の振り返りを持つと、次の挑戦に生きてくる。また、何が自分の成長につながりやすいか把握ができる。技術だけではなく、知識やメンタルも同時に伸ばしていく。
おもな評価点は3つ。
- 企画力
- 継続力
- 自尊感情
企画力の評価
企画力の評価は、結果を参考にして仮説が正しかったかを検討する。
この短期目標設定方法では、仮説はとても重要な意味を持つ。正確な仮説ならトレーニングプランを実践するだけで、短期目標は達成されるからだ。
もし、短期目標が達成できなかった場合、仮説がどこか間違っているわけだ。目標達成となっても、仮説をチェックし、更に最適化を目指せば良い。
仮説の設定同様に、企画力の評価も子供の自主性を重視する。親は子供の考えが浅かったら深掘りさせるように誘導する。それで評価の精度も上がるし、子どもも自主性を感じられる。
企画力のチェックポイント5つ
- 短期目標の難易度
- 短期目標の適切性
- トレーニングプランの適切性
- トレーニングプランの負荷量
- 短期目標への意欲づけ
短期目標の難易度
「その目標は達成可能であったか」という観点だ。目標が達成できなかった場合、次の目標設定の検討材料とする。
短期目標の適切性
「高まった能力や得た資格は本当に必要だったか」という観点だ。しかし、間違っていたとしても後悔する必要はない。あくまで今後の参考に留めておく。
万が一、短期目標を達成できなかった場合は、同じ目標に再チャレンジするかの検討材料する。
トレーニングプランの適切性
「課題に見合ったトレーニング内容だったか」という観点だ。
目標が簡単なのに必要以上にトレーニングをしていなかったか、または目標が難しかったのにトレーニングが少なすぎなかったかと調べていく。
トレーニングプランの負荷量
「トレーニングが終わった後の達成感」という観点で見ていく。トレーニング期間中に充実するためには適切な負荷量に設定する必要がある。適切なトレーニングは意欲を高める。
具体的な評価項目はこんな感じ。
- 「課題が多すぎてつらすぎなかったか」
- 「簡単な目標だったのに課題が多すぎなかったか」
- 「課題が少なすぎなかったか」……etc
短期目標への意欲づけ
「短期目標にやりがいを持っていたか」という観点だ。短期目標(得られる成果)に楽しみを感じていたかどうかはチャレンジ精神に直結する。
「課題に向かって日々ワクワクしていたか」「苦手な課題でもやりたい理由を見つけそれに突き動かされていたか」というように見ていく。
継続力の評価
いくら企画が優秀だったとしても、あきらめずにやり抜く力がないと目標達成は困難だ。途中で楽な方に流されあきらめてしまう。あきらめぐせがつくとそれを修正するのは難しい。
継続力の評価は2つの観点で見ていく。
- 決められた量をこなせたか
- 努力に喜びを感じられたか
決められた量をこなせたか
単純に「決められたトレーニング量が守れたか」という観点で見ていく。
適切なトレーニングプランだった場合、それを最後まで実行するのは継続力が必要になる。ゲームなどを優先しなかったか、もし遅れても挽回できたか、トレーニングプランは遂行できたかを見る。
努力に喜びを感じられたか
「がんばった達成感を意欲として活用できたか」という観点で見ていく。
適切な量のトレーニングを終わらせた後は心地よい開放感と達成感に包まれる。それが自分の誇りを高め、がんばる意欲になる。
以上、2つともスタンプカードを活用するとチェックがしやすい。決められた量をこなせたかはひと目で確認できるし、スタンプが埋まった状態を誇らしく思えるか確認すればいい。
企画力の評価に対して継続力の評価はシンプルだ。親も励ましやすいと思うので、ここで自己肯定感を高めておく。
自尊感情の評価
自尊感情とは、
自分には価値があり尊敬されるべき人間であると思える感情のこと(中略)本人の願ったものがどの程度うまくいくかによって決まってくるーコトバンク
自分でやりたいこと(自主性)がうまくいっているか(達成感)によって自尊感情の良し悪しは変わる。自分が正しいことを子どもが夢に向かって間違いなく進んでいるかを判断するわけだ。
短期目標の結果が失敗だと自尊感情は悪くなる。しかし、そこで結果に振り回されないためにも、努力を評価し、つぎのチャレンジの意欲にすれば自尊感情は保たれる。
具体的な自尊感情の測定方法は、短期目標を通じて得た感想と自分の気持ちを、フリートークで聞いていく。
その際、自分でがんばったところを明らかにし、失敗したところは取り戻せる「なんとかなる気持ち」をもたせる。
自尊感情は次の意欲につなげるという目的があるので、評価をしたらその場で励ませばいい。
評価・改善点の抽出を次の短期目標に生かす
評価・改善点の抽出で得た情報は、サイクル1つ目の「情報収集」と共に、次の目標設定の材料にする。
こうして、「情報収集」「短期目標の設定」「トレーニングプランの実行」「評価・改善点の抽出」というサイクルを何度も繰り返し、夢へのステップを登っていく。
おさらい
短期目標は途切れることなく続けていったほうが良い。そのためにいつも夢のことを頭の片隅に入れて情報収集をしよう。
口を酸っぱくして言うが、子供の自主性を最大限に生かすことを重視し、親は子どものサポートに徹する。
子どもの夢は子どものものだ。自分で夢に向かって進むすべを身につけると「芯のぶれない」大人になる。
子どもに向き合わないと、子どもは自分を守るために心を閉ざし、不器用な性格形成をする。もしくは、親に与えられなかった愛情を、他の誰かに求め依存していく。
子どもの気持ちがよくわからないと感じたら、将来の夢という共通のテーマを使って子どもと対話を始めてほしい。
親子に確かな信頼関係ができれば、自分で幸せを感じ成長を続けられる大人になっていくはずだ。
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